旧佐賀城の北東部に位置し、柳町を含む長崎街道に沿う町並みは寛永3年(1626年)から17世紀半ばまでに形成されたと推定される。現在の柳町周辺には各時代を代表する歴史遺産が集積する地区となっており、佐賀市では、佐賀市都市景観条例に基づき、平成11年に柳町地区の一部が「長崎街道・柳町都市景観形成地区」に指定され、建物の修復整備が進められている。幕末から明治初期にかけては、馬場家の祖先にあたる鍋島藩の藩医を務めた漢方医の高宗弘堂が居住し、この家で開業したと伝えられるが、嘉永七年(1854)『佐嘉城下町竃帳』には、岡部杢之助組侍の古賀元恭が居住していたとある。