議案等の審議結果

平成23年9月定例県議会

委員長報告 

原子力安全対策等特別委員長報告
委員長　石丸　博

　原子力安全対策等特別任委員長の報告をいたします。

　　原子力安全・防災対策、エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件につきまして、8月4日及び8月23日に委員会を開催し、8月4日には、九州電力株式会社 社長　眞部利應氏 他2名、同月23日には、九州電力株式会社前副社長　段上守氏、他2名を参考人として招致し、それぞれの参考人からの意見聴取の後、参考人への質疑を行いました。
　また、8月9日、及び9月28日には、知事出席のもと、委員会を開催し、それぞれ慎重に審議を行いましたので、その過程で申し述べられました、主な質疑の概要を報告いたします。
　
　まず、8月4日の参考人招致においては、「玄海原子力発電所　安全対策説明番組への、やらせメールや県民フォーラムへの参加要請問題、及び耐震安全性評価にかかるデータ入力ミス問題等について」の項目に関し、九州電力株式会社 社長 眞部利應氏から意見聴取の後、

◎九州電力の長年の体質、風土、コンプライアンスに対する意識の醸成、意識向上等への取組み
◎福島第一原発事故に関する九州電力トップとしての認識
◎段上副社長が古川知事に退任あいさつを行ったことに関する認識
◎大坪メモの内容に対する参考人の認識
◎九州電力社員や協力会社社員への、やらせメールの指示内容、及びそれを止められなかった理由
◎やらせメールに関する参考人自身の把握状況、及びその認識とそれに対する責任
◎段上副社長からの、やらせメールに関する報告
◎原子力安全保安院から九州電力に対する、やらせメールの要請の有無
◎県民フォーラム、シンポジウムへの九州電力の参加要請の有無
◎耐震安全性評価に関するデータの入力ミスの内容や原因、及び防止対策
◎玄海原子力発電所周辺の活断層の調査結果
◎今回改正された耐震設計の審査指針に対する九州電力の対応
◎九州電力におけるストレステストの計画内容と対応
◎玄海原子力発電所一号機の脆性遷移温度の解析と公表
◎今後の原子力発電の方向性、及び電力の需給計画
  などについての質疑が行われました。

　つぎに、8月9日の知事出席による審議においては、冒頭、「玄海原子力発電所　安全対策説明番組前の九州電力株式会社副社長への発言問題」について、知事から説明を受けた後、知事に対し、
　
◎知事が再稼働を議論していた6月21日に、知事公舎で九州電力関係者と会ったことに関する認識
◎知事発言に対する九州電力側の受け止め方の認識　　
◎大坪メモの内容確認と、それぞれの項目に対する認識
◎大坪メモに、「自民党議員への働きかけ」と記載されていることの趣旨
◎九州電力の、やらせメール問題に対する知事の責任
◎本日の委員会開催に関する知事自身の受け止め
◎九州電力における、過去の説明会やシンポジウムなどの動員に対する認識
◎6月26日の国の説明会の開催に対する県の介入の有無
◎7月8日の県主催の説明会における県職員動員メールの有無
◎九州電力から多額の寄付を受けるといった九州電力と県との関係
◎九州電力幹部から知事への個人献金問題と今後の対応
◎県における調査委員会の立ち上げの検討
◎玄海原子力発電所の再稼働に関する知事のスタンスの変化
◎今後のエネルギー対策や、原子力政策に関する知事自身の認識

などについての質疑が行われました。

つぎに、8月23日の参考人招致においては、「平成23年6月21日の古川佐賀県知事との知事公舎での面談の内容及びその後作成された社内報告メモの内容」の項目に関し、九州電力株式会社　前副社長　段上守氏、及び同 佐賀支社長　大坪潔晴氏から意見聴取の後、

◎今回の「やらせメール問題は、不正確な文章を作成した九州電力に責任がある」との社長発言に対する各参考人の認識
◎知事と面談後に、再稼働に賛成する意見を増やすことが必要だとの認識が一致した理由
◎知事公舎で知事と会うことになった理由と、面談の状況、及び知事の釈明に対しての認識
◎大坪メモに記載されていた、「IAEAの対応」、「国主催の県民向け説明会の出演者」、「県議 への働きかけ」、「番組への投稿の要請」、「5月17日の県執行部に対する保安院説明時と同じ対応の依頼」などの事実確認
◎面談における備忘録作成の習慣の有無と、今回特別に作成した理由
◎メモ作成指示を受けたことに対する大坪参考人の認識
◎大坪メモを見た段上参考人の認識、及びメモの内容の訂正を指示しなかった理由
◎大坪メモに関する第三者委員会からの質問内容
◎やらせメールの投稿指示の有無
◎大坪メモの九州電力内の配付状況
◎6月26日の県民説明番組への資源エネルギー庁からの指示
◎今回の問題発覚後の眞部社長との面会時期とその内容
◎眞部社長の助言を受けた後の修正メモの作成の有無
◎九州電力に対して、今回の一連の問題に係る猛省と安全確保のための努力の要請

などについての質疑が行われました。

　次に、9月28日の審議においては、原子力安全・防災対策、エネルギー対策として、

◎プルサーマル公開討論会に対する県の関与の有無や、九州電力による公開討論会への「動員」や「仕込み質問」の影響についての県の認識
◎5月17日の原子力安全・保安院の説明会や、その前日における統括本部長の対応の詳細と、第三者委員会中間報告に記載されている内容との相違、及び第三者委員会に対する
　統括本部長の今後の対応
◎6月21日の知事発言を受けた、九州電力の受け止め方に対する知事の認識
◎第三者委員会、中間報告書に対する知事や統括本部長の見解、県や九州電力からの意見・見解に対する、第三者委員会委員長の反論に対する認識　
◎今後の県と九州電力の関係のあり方
◎6月21日の九州電力幹部との面談、及び発言についての知事の「過失」の認識
◎6月21日の知事と九州電力幹部との面談内容や、知事発言の真意と、一連の「やらせメール」問題の発端となったことに対しての県政トップとしての知事の責任
◎県民の理解が得られていないという現在の状況におけるプルサーマル運転に対しての認識
◎県による外部有識者からなる調査委員会設置の必要性

などの審議が行われました。

最後に、原子力安全・防災対策、エネルギー対策に関する諸問題の調査に関する件につきましては、なお調査検討を要するため、閉会中の継続審査を議長に申し出ることにいたしました。

　以上をもちまして、原子力安全対策等特別委員長の報告を終わります。