議案等の審議結果
平成27年6月定例県議会
請願と採決状況
請第1号
採択
県の機関における行政書士法の遵守徹底による窓口規制の適正化と
行政手続法・行政手続条例の遵守を求める請願書
請願趣旨
1．請願の主旨
行政書士は、行政書士法の目的である「行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、国民の利便に資する」（行政書士法第1条抜粋）ため、国家資格者として高度な法的・専門的知識を身につけ、官公署に提出する書類の作成等を通じて国民の権利を守り、利便を図るため日々研鑽を重ね業務を行っている。
しかしながら、各種許認可・免許・登録申請及び届出等に際し、資格を有しない非行政書士が、他人の代理人として手続を行うケースが頻発している。
県当局におかれては、「行政書士または行政書士法人でない者は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を作成することができない」とする行政書士法第19条第1項の規定及び行政書士制度の趣旨をご賢察いただき、非行政書士による不正な書類の作成及び提出行為がなされないよう行政書士法の趣旨の周知徹底と窓口指導及び具体的な規制を実行されるよう求める。また、県民の権利を擁護するため各種申請・届出等に関し、公正で透明性のある行政サービスが行われるよう行政手続法及び行政手続条例の遵守の徹底を関係機関に指導されることを請願する。
請願事項
1．行政書士法の遵守
2．行政手続法及び行政手続条例の遵守
を関係機関に指導していただきたい。
2．請願の理由
(1) 行政書士法の遵守
私たち行政書士は、行政書士法により「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成し、提出する手続について代理すること」（行政書士法第1条の2抜粋）を業務としている。行政書士は県民と行政をつなぐパイプ役として、行政事務が適正かつ迅速に進められるよう協力するとともに、県民のアドバイザーとして県内各地で無料相談会を実施するなど、行政事務の円滑な推進と県民の利便性の向上に努めている。
行政書士法上、行政書士でない者は業として官公署に提出する書類の作成を行うことはできないとされており（他の法律で別段の定めのある場合を除く）、これに違反した者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる規定になっている。
しかるに、未だこのことに対する認識が十分ではなく、県内において非行政書士による違法行為が後を絶たない。佐賀県行政書士会では、行政書士制度広報月間などを通して違反防止に努めているところであるが、これらの行為の根絶は至難の業である。
個人のプライバシーや個人情報の保護が強く求められている社会にあって、無資格者による手続はそれらの漏えいが危惧され、書類に関する信頼を損なうことになり、ひいては県民にも多大な迷惑がかかる恐れがある。
行政書士には法律により守秘義務が課され、違反した場合には厳しい処分が科されることになっている。
ついては、国民の利便と行政手続の円滑な実施に寄与するものとして定められた行政書士制度の趣旨を踏まえ、非行政書士による不正な書類作成や提出行為をなくすよう、窓口規制の適正化を求める。
(2) 行政手続法及び行政手続条例の遵守
行政書士等が、県の各機関等に各種申請・届出を行うに際し、出先機関や担当者により異なる指導や法定外の添付資料の提出要求などがなされることがあるとの会員からの指摘がある。県当局におかれては、このようなことのないよう、行政手続法及び行政手続条例の遵守の徹底を図り、県内同一の行政手続がなされることを望むものである。以上、請願する。
平成27年6月22日
佐賀県議会議長 中倉政義 様
請願者 佐賀市鍋島3丁目15番23号
佐賀県行政書士会 会長 赤司 久人
紹介議員 全議員