所在地
神埼市神埼町神埼3-438 0952-37-3693(神埼市)
遺産にまつわる物語
長崎街道に面して建つ旧古賀銀行神埼支店は、県内洋風建築の草分け的存在である舟木右馬之助による設計で、大正3年(1914)に竣工された。古賀銀行は、大正時代には、九州5大銀行の一つに数えられるまでに成長したが、昭和8年(1933)に解散した。その後、産院や歯科医院として利用されてきた。外観こそ洋風であるが、木造かつ伝統的な和小屋で屋根を支えるなど、在来の技術を持って造り上げられている。大正時代の佐賀地方の建築文化を知る上で、また、神埼市の歴史と繁栄を物語る上でも象徴的な建造物である。
特徴
洋風外観の総2階建ての木造建築物である。西側に面する正面中央に花崗岩の円柱に支えられたペディメントの玄関をとり、左右対称のファサードを持つ。屋根は、桟瓦葺き寄棟造りで、正面中央に半円形のドーマーウインドウを有し、両端に棟飾りを置く。外壁は、モルタル洗い出し仕上げで、柱頭飾りや窓上まぐさに、要石状の装飾を造りだす。 内部は、産院となった際に2階を設けていたが現在は当初の吹き抜けに復元されている。建物南側に張り出した金庫室は良好に残存し、建築当時の名残を留めている。
保存や活用の取組
平成27年度、内部については旧古賀銀行として利用されていた状況に復元が行われた。現在は地域の活動の場として利用されるほか、櫛田の市や長崎街道宿場祭りの際、イベント会場として利用されている。平成13年に国の登録有形文化財に登録された。