所在地
小城市小城町903-1 0952-73-2003(小柳酒造)
遺産にまつわる物語
この地は江戸時代から天山山系の伏流水を利用した酒造り等が盛んで、醸造業を営む町屋が建ち並んでいた。小柳酒造は文化年間(1804~1818)の創業とされ、明治から昭和にかけての酒造工程の一連の建物群が現存する。また、明治時代には紙問屋も営み、中国大陸まで小城和紙を販売していた。小城の製紙業は、江戸後期に始まり、祇園川沿いの岩松地区の農家の副業であった。小柳家には、小城出身の書聖中村梧竹の書も伝えられており、梧竹との交流も確認できる。代表銘柄は高砂。
特徴
主屋は江戸後期(推定)の良質な町屋建築で、外観は塗り込めで木部を殆ど見せない。煉瓦造の煙突は造り酒屋の存在を知らしめるシンボルとなっている。この他、大正期から昭和初期に建てられた、離れ・昭和西蔵・昭和東蔵・釜場・西貯水槽・東貯水槽・ポンプ小屋・ビン詰場・検査室等が残っている。
保存や活用の取組
昭和西蔵では、天山ものづくり塾などの団体により、天山アートフェスタや祇園コンサートが企画されるなど、講演会、展覧会場として積極的に活用されている。また、史跡探訪会やウォークラリーなどのチェックポイントにもなっている。令和3年よりまちづくり会社により新たな取組が検討されている。平成14年に国の登録有形文化財に登録された。