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令和3年9月 一般財団法人地方財務協会月刊誌「公営企業9月号」への寄稿『大隈重信とDX脳』

最終更新日:

 今年は佐賀の偉人・大隈重信の百回忌にあたります。
 大隈は、明治から大正にかけて総理大臣を2度務めた政治家であり、早稲田大学を創設した教育者でもあることは広く知られていますが、日本初の鉄道敷設に尽力したことはあまり知られていないのではないでしょうか。
 昨年、百回忌を前に、大隈が手掛けた日本初の鉄道の遺構「高輪築堤」が、品川駅にほど近い再開発予定地で発見されました。
 これは、約150年前、鉄道を新橋から横浜まで通す際、用地確保が難航したことから、「陸がだめなら海に」という常識にとらわれない大隈の発想で「陸蒸気(おかじょうき)を海に通せ」と命じ、築かれた堤防です。
 長い歳月を経てなお堅固な石垣は、当時の技術力の高さとともに、人力車や飛脚が当たり前だった時代に、誰も想像しなかった日本初の鉄道による国づくりを構想した大隈の卓抜な発想力と実行力を思い起こさせてくれます。
 大隈の志を育んだ佐賀の地は、幕末の佐賀藩において西洋の技術を積極的に取り入れ、日本初の蒸気機関の製造に成功するなど、技術力で日本を牽引していました。
 そうした進取の気風において、世界を視野に多様な考えを積極的に取り入れ、よりよい社会をつくろうと幾多の困難を乗り越えてきた大隈の志と、技術力の掛け合わせが、1つの新たな時代を切り拓いたともいえるでしょう。

 昨年から新型コロナ感染拡大が続く中、社会は再び大きく変わろうとしています。
 とりわけ、デジタル化の加速は、私たちの暮らしや社会に大きな変革をもたらすことが期待されています。
 DX(デジタルトランスフォーメーション)で世の中を変えていくためには、かつての大隈のようにこれまでの常識にとらわれない、全く新しい未来を想い描く柔軟な発想が必要であり、これを私は「DX脳」と呼んでいます。
 「DX脳」を育むために、佐賀県では、多様な視点や考え方を大切にしており、柔軟な発想を生み出す組織づくりを進めています。
 現在、県庁の行政職員は、全国から様々なキャリアを積んだ人たちが集まっており、いわゆる中途採用率は全国第1位です。 
 取り組みを進める事業においても、デザイナーやクリエイターと一緒に佐賀らしさを磨く「さがデザイン」や、アニメやゲーム等とのコラボで佐賀の価値を高める「サガプライズ!」、全日空やJAXAなど世界や宇宙をフィールドに活躍されている皆さんとの協働プロジェクトなど、多面的な視点や多様な経験から生まれるアイデアを掛け合わせることによって、これから多くのイノベーションを生み出していきたいと考えています。
 また、「佐賀県産業スマート化センター」を開設し、DXの推進に向け県内企業を支援しており、現在、様々な分野で社会を変えていく芽が生まれていることは嬉しい限りであり、期待がさらに高まります。

 「DX脳」は、社会をよりよくしたいという志があるからこそ、その真価が発揮されるように思います。
 志と技術が掛け合わされ、佐賀がイノベーションを生む変革の地になるよう私たちはこれからも、皆が心地よいと思える社会をめざして挑戦し続けていきます。





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