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令和3年2月 佐賀国際重粒子線がん治療財団設立10周年記録誌への寄稿『世界に誇れる技・人・志』

最終更新日:

 佐賀国際重粒子線がん治療財団が設立10周年を迎えられますことを心からお喜び申し上げます。
 「がんに苦しむ人たちの力になりたい」という共通の思いのもと、九州国際重粒子がん治療センターは、九州初・民間初の重粒子線がん治療施設として産官学の協力により誕生しました。
 「サガハイマット」の愛称で、今や全国に知られる同センターの開設準備から今日の運営まで、力を尽くしてこられました貴財団理事長様をはじめ全ての関係者の皆様に深く敬意を表しますとともに心から感謝申し上げます。
 昨年度の年間治療患者数は過去最高を更新し、サガハイマットへの関心は年々高まっています。その背景には、公的医療保険が適用になるなど医療制度の変化もさることながら、大学病院や地域病院、医師会など関係機関の皆様が、患者さんを中心に連携されながら、日々最善の医療に取り組まれてきた成果なのだと思います。九州一円はもとより全国から鳥栖の地を訪れ、先進医療の門をたたく患者さんたちにとって、確かな知識と技術を備え、一人一人の気持ちに寄り添う皆様は、どれほど心強い存在であることかと思います。
 最先端の技術と患者さんをつなぐ架け橋となり、日々着実に積み重ねてこられた信頼こそが、今日のサガハイマットの高い評価の礎にあるのだと思います。

 医療技術の進歩により、今日、がんは早期に発見され適切な治療が施されれば、治る病気になりました。
 私自身、50歳の時にがんを経験したことで、適切な医療を受けられる環境の大切さを身に染みて感じています。
 がん対策を行う行政トップの立場として、がんを経験した1人として、がんで苦しむ方々に寄り添い早期発見・早期治療で救える命を救いたいーー私は、そうした切なる思いでこれまで多岐にわたるがん対策を進めてきました。
 肝がん・肝炎対策では、死亡率全国ワースト脱却に向けた肝疾患対策に力を入れるとともに、胃がん対策では、中学3年生を対象にピロリ菌の検査・除菌事業を全国に先駆けて実施。女性のがんでは、県内全ての産婦人科で子宮がん検診を受けられるようにするなど、がん検診を受けやすくする仕組みづくりに力を入れてきたところです。また、がんになっても仕事を続けることができるよう、「がん相談支援センター」など関係機関と連携した就労支援に取り組んでおり、これからは、小児・AYA世代と呼ばれる40歳未満の若年がん患者の方々の支援にも力を入れていくことで、子どもたちが夢を描き、若い世代の人たちが家族や子どもを持つことをあきらめることのない環境をつくっていきたいと考えています。

 歴史を振り返れば、幕末・維新の時代、佐賀藩第10代藩主・鍋島直正は、天然痘に苦しむ人々を憂い、オランダから入手した種痘を世継ぎへ接種し、その信頼性を佐賀から全国へも広めることで、多くの尊い命を守りました。
 その後の歴史においても、種痘の普及に貢献した伊東玄朴や、ドイツ医学の導入に尽力した相良知安、日本赤十字社を創設した佐野常民など、医療に力を尽くしてきた佐賀の先人たちをみれば、先進的な医療技術は、人に寄り添う一途な思いがあってこそ、発展していくものだと改めて感じます。
 「人を大切に 世界に誇れる佐賀づくり」を県政の基本理念として、人の痛みに敏感に、誰もが安心して暮らせるよう、皆様とともに力を尽くしてまいります。
 結びに、サガハイマットの今後ますますのご発展と、関係者の皆様のご健勝、ご活躍を心から祈念いたしまして、祝辞とさせていただきます。





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