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平成30年10月 佐賀学園高等学校創立60周年記念誌への祝辞『まことの心をもって』

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 佐賀学園高等学校の創立六十周年を心からお祝い申し上げます。
 昭和三十三年に佐賀実業高等学校として開校以来、貴校は私学で唯一の商業高等学校として実学を重んじる教育を実践してこられました。二万人を超える卒業生は、県内外の産業界を中心に第一線で活躍されており、ここに、歴代の理事長先生並びに歴代校長先生をはじめ、関係者の皆様に深く敬意と感謝の意を表します。

 「人間の要は實(まこと)一つなり」
 これは、『葉隠』の口述者である山本常朝が自ら記した『愚見集(ぐけんしゅう)』の一節です。
 武士、職人、商人、老若男女、立場は違っても、人間にとって大切なものはまことの心であり、これを十分に承知していれば、物事の様々な変化にも動揺することがないと説いています。
 そして、江戸時代から伝えられてきたこの教えは、『葉隠』研究の第一人者である栗原荒野さんによる貴校校歌の一節「誠ごころの一すじに 知徳を研き身をきたふ」とともに、今でも貴校の精神に息づいているように思うのです。

 貴校では、「正しく生きる」「強く生きる」「美しく生きる」の3つを教育の柱とし、全生徒が人としての礼節を学び、心を磨く「礼法」の時間を重んじられています。こうした時代を超えた人としての教えは、自らと真摯に向き合い、どの道を目指す生徒にとっても、自らが決めた目的にただひたすら心を集中させるという「佐学魂」の鍛錬にもつながっているのではないでしょうか。

 日本が戦後復興を果たし、経済大国として大きく変わろうとしていた時代から六十年。今なお、情報化やグローバル化など、社会はさらに変化し続けています。
 どのような時代の趨勢にあっても、人としての鍛錬を重んじ、生徒一人ひとりに寄り添いながら、その能力を最大限に伸ばすきめ細かな指導をされてきたことは、七割を超える県内就職率の高さや、多岐にわたる分野への進学、スポーツ・文化両面での全国大会や世界大会での好成績につながっているように思います。また、近年は、校舎とグラウンドが改築されるとともに、西九州大学との連携協定が締結されるなど、ハード・ソフト両面での教育の充実が図られていることも、より質の高い教育につながっていくことでしょう。

 この学び舎を巣立った二万人を超える卒業生の方々は、校歌に歌われる「楠」に例えれば、しっかりと土地に根を張った太い幹から方々に広がりを見せる青々とした葉、そしてそこに熟した沢山のつややかな美しい実の光景とも重なるようにも思えます。
 様々な夢を抱いてこの学び舎に集う生徒の皆さんが、これからも、まことの心をもって自分自身を磨かれ、それぞれの志す道において実りある人生を歩まれることを心からお祈りし、お祝いの言葉といたします。





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