本日、平成３０年佐賀県殉職警察官慰霊祭が執り行われるにあたり、県民を代表して、謹んで慰霊のことばを申し上げます。
近年、大型の台風や局地的な豪雨など、甚大な被害をもたらす災害が頻発しています。
今年７月に西日本を中心に大きな被害をもたらした「平成３０年7月豪雨」によって、広島県では、残念ながら３名の警察官が殉職されました。土砂崩れに巻き込まれた人々を誘導している最中、再び崩れてきた土砂に襲われるなど、最後まで命を守るために力を尽くされたそうです。
佐賀県では、特別警報が発表される中、警察本部及び各警察署の皆様は県や市町及び消防等と連携し、行方不明者の捜索や避難誘導、交通規制などにあたられるとともに、特に大きな被害を受けた広島県に広域緊急援助隊警備部隊を派遣され、行方不明者の捜索活動に従事いただきました。
被災地の支援活動にご尽力いただいた皆様に、敬意を表しますとともに、心から感謝申し上げます。
このように、住民の安全・安心な暮らしを守るため、危険を顧みず、その身を挺して職務にあたられている警察官の方々の姿を見ると、『葉隠』の四誓願の一つが思い起こされます。
「大慈悲を起し人の為になるべき事」
これは、人を思いやり、社会のため、人のためになることを成すという誓いであり、これを日々心掛けながら精進することが大切であるという教えです。
殉職された方々は、住民の方々のために職務を全うするという使命感と責任感を、最後まで持ち続けておられたことでしょう。その志は、多くの同僚や後輩の方々に受け継がれ、今も私たちの暮らしをしっかりと支えていただいています。
私も県政に責任を持つ者として、警察官の皆様が日々懸命に守っていただいている平穏な暮らしを、さらに安心できるものにするための努力を続けてまいります。
最後になりましたが、謹んで殉職された方々のご功績をたたえ、その御霊（みたま）が安らかならんことをお祈りしますとともに、ご遺族の皆様をはじめ、ご列席の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、慰霊のことばといたします。