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平成30年5月 草月会佐賀支部広報誌「草月さが」への寄稿『志を映す花のように』

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 今年3月に開催された、草月創流90周年を記念する「草月いけばな展」。会場となった県庁・県民ホールは、春の訪れを告げる花々によって彩られ、華やいだ空間となりました。
 中でも目を引いたのは、76人の華人による共作『凌風』でした。
 荒波のような曲線を描いた竹の間を、縦横に真っすぐ伸びた竹が貫ぬくーーその様は、幕末期に佐賀藩が「技」と「人」を結集してつくりあげた日本初の実用蒸気船「凌風丸」を思い起こさせ、また、時代を切り拓いた佐賀の先人たちの 「志」を表しているようにも感じられました。
 華人たちの「技」によって竹の力強さが活かされた、その自由で雄大な姿は、私の座右の銘である「蘭(らん)心(しん)竹生(ちくしょう)(蘭のようにあでやかな心を持ち、竹のようにまっすぐ生きる)」とも重なるものでした。

 今年は明治維新から150年の節目を迎えます。
 2度にわたり総理大臣を務め、財政改革や教育改革を通して時代をけん引した佐賀の偉人・大隈重信。
 竹のようにまっすぐな志を持ちながら、大隈は、人生を彩ることを好み、藩や立場を超えて多くの人々との語らいを楽しみました。
 そうした交流の中で出会った一人・慶応大学の創設者である福澤諭吉とは、若い頃から西洋の学問や文化に触れ、新しい国づくりを目指した者同士、たちまち意気投合し、生涯、その親交を深めました。
 そして、福澤の訃報に触れたとき、大隈は、自ら大切に育ててきた西洋花を、涙ながらに手折り、花束にして届けたといわれています。
 それは、大隈から、昼夜を問わず語り合った同志・福澤にあてた、花に込めて贈る最後の言葉だったのかもしれません。

 佐賀県では、新しい時代を切り拓いた佐賀の偉人を顕彰し、その志を未来につなげていくため、「肥前さが幕末維新博覧会」を開催しています。
 幕末維新期から現代、そして未来につながる佐賀の「技・人・志」。それは、90年の長きにわたり、常に新しく、時代とともに変化してきた草月のいけばなの精神にも重なるのではないでしょうか。
 この節目を機に、ふるさとの歴史の奥深さを多くの方々に再認識していただくとともに、佐賀の「本物」を磨き上げ、次世代に引き継いでいきたいと思います。





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