フッ素を正しく理解しましょう

2009年12月10日

 佐賀県では、実施方法が簡単で、むし歯予防に効果の高い、フッ化物洗口(以下「フッ素洗口」と言います)の取組みを保育所・幼稚園、学校で推進しています。
 フッ素について、一般的なQ&Aや、県内でのフッ素洗口の実施状況(下段添付ファイル)を御紹介します。

フッ素に関するQ&A

 

問1 フッ素って、どんなものですか?

 

 【 答 】 
 フッ素(元素記号はF)は、約100種ある元素のうちのひとつです。
 地中、海水、河川水など自然の環境に広く分布しており、たくさんの量が地球に存在しているものです。食品にも含まれていて、私たちは日頃普通に食べたり飲んだりしています。例えば、芝えびなどには10~40ppm、お茶、紅茶の葉には100~500ppm含まれており、実際にお茶としてお湯を入れて飲む場合には、0.2~1.0ppmくらいの濃度になっているものです。
※ ppm(ピーピーエム):百万分の1を表す単位
  フッ素1ppmとは、1キログラムあるいは1リットルあたり1ミリグラムのフッ素を含むこと


 

問2 フッ素は劇薬だと聞きましたが、使用しても問題はありませんか?

 

 【 答 】 
 医薬品(ミラノール、オラブリス)は、毎日又は週2回洗口する時に使用するもので、薬事法上劇薬に指定されていますが、医師の処方に従い水に溶かせば濃度が1%以下となり普通薬となりますので、取り扱い上問題はありません。

 また、学校等で週1回洗口する時に使用されているフッ化ナトリウム試薬は、元々医薬品ではなく普通物です。なお、歯科医の処方に従い水に溶かせば濃度が1%以下となりますので、普通薬と同じく問題となるものではありません。


 

問3 フッ素洗口液を誤って飲み込んでしまいましたが、大丈夫ですか?

 

【 答 】
 歯科医の処方に従ったフッ素洗口液は、誤って飲み込んだとしても問題ありません。週1回法の洗口液10ml中に含まれるフッ素の量は9mgですが、2時間以内に70%以上が尿として排泄され、最終的には、必要なフッ素以外はすべて体外へ排泄されます。
 なお、フッ素の急性中毒量は、体重1キログラムあたりフッ素2ミリグラムとされていますので、例えば、小学生(体重30キログラム)であれば、60ミリグラムのフッ素で急性中毒が生ずるであろうと考えられます。これは、週1回法であれば、6~7人分(60ミリグラム÷9ミリグラム=6.7)に相当します。


 

問4 フッ素洗口とは、どんなものですか? 


【 答 】
 比較的低濃度のフッ素溶解液を少量口に含みブクブクうがいをする方法です。フッ素洗口は、方法の簡便さ、高い安全性、確実な予防効果、優れた経済性などから保育所・幼稚園、学校など集団で行うのに適しています。



問5 歯みがきや甘味制限などの基本となる努力をしないで、薬であるフッ素に安易に頼るのは正しい むし歯予防といえないのではないですか?


【 答 】
 むし歯予防のためには、
  (1)甘味制限により甘いものを控える
  (2)歯みがきにより歯垢(プラーク)を取り除く
  (3)フッ素利用により歯を強くする
ことが必要となります。 
 歯みがき・甘味制限・フッ素の利用は、むし歯に対する予防作用が異なり、いずれも大切ですので、ひとつに頼ることなく組み合わせて実施していくことがむし歯予防に繋がります。
 口の中から細菌や糖分を全くなくすことは誰にもできませんが、日頃から歯みがきや甘味制限によって、できるだけ良い環境を維持する努力は必要なことです。



 問6 むし歯の原因は、どんなものですか?


【 答 】
 むし歯は、1つの原因でできるものではなく、次の要素が揃うと発生します。
 (1)飲食物に含まれている糖分が細菌の栄養源となること
 (2)口腔内の細菌のかたまりである歯垢がつくられ、歯に付着すること
 (3)歯の抵抗力が低下すること
逆に言えば、それぞれに対策を行うことが、むし歯予防に繋がるといえます


 

問7 フッ素洗口を始めると安心して、歯みがき習慣などがおろそかになりませんか?

【 答 】
 フッ素洗口は永久歯のむし歯予防が目的ですので、その目的を理解させ、自分の努力で自分の歯を守るという意識づけを行うことも必要なことです。意識づけができれば、むし歯のリスク要因となる生活行動は、改善されることが報告されています。



 問8 むし歯予防のために歯みがきの習慣は必要ないのですか?

 

【 答 】
 フッ素は「むし歯になりにくくする」ものであり、このことだけでむし歯にならないわけではなく、毎日数回の歯みがきの習慣は必要不可欠なものです。
 歯みがきは、歯ブラシの毛先が当たりにくい部分もあり、むし歯予防の方法としては効果が低い面もありますが、口の中を清潔にすることで、歯や歯ぐきにとって、口の中を良い環境にしますので、歯周病、すなわち歯肉炎や歯周炎予防法としては、極めて重要であり、家庭や学校での励行を指導する必要があります。



 問9 フッ素洗口は、家庭の責任において実施すればよいのではないのでしょうか?

 

【 答 】
 フッ素洗口を家庭で実施する場合は、毎日法(週5回)をお勧めします。毎日欠かさず行うことによって、高い予防効果が期待できますが、毎日の習慣づけを行うことが大きな課題となっています。
 なお、家庭においてむし歯予防を行うことは大切で、歯みがき習慣づけや甘い物の制限などは、親の責任のもとに実施されるべきものです。



 問10 学校など集団の場で実施する必要があるのですか? 


【 答 】
 公衆衛生として、すべての子ども達が通う幼稚園、保育所、学校でのむし歯予防活動を実践することが、効果的であると考えられています。
 むし歯は他の病気と違い、国民のほぼ全員にみられ、しかも一度むし歯になると自然に治らないこと、更にむし歯になるのは子どもの頃がほとんどあるという特徴がありますので、この時期に実施することは重要と考えています。
 また、フッ素洗口は、歯科医師法に謳われている医療行為ではありませんが、学校保健法第2条に規定する学校保健安全計画に位置づけられ、保健管理の一環として実施されているものと考えています。



 問11 フッ素洗口の普及状況はどれくらいですか?


【 答 】
 佐賀県でのフッ素洗口の実施状況は、平成11年度は、保育所・幼稚園は94施設で4,744人、小学校は6校で907人、中学校は1校で407人でしたが、年々増加しており、平成20年度には、保育所・幼稚園は271施設13,725人、小学校は154校42,539人、中学校は21校2,780人が実施しています。保育所・幼稚園は80%以上の施設で、小学校では85%以上の学校が実施していることになります。

 ※平成11年度~20年度のフッ素洗口の実施状況(グラフ)は別添ファイルで御覧ください。

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