「手足口病」に注意しましょう
県内23か所の定点医療機関からの報告によると、第36週(9月5日~9月11日)では定点医療機関当たりの患者数は1.22人となっています。患者数は減少しており、定点報告数の県全体の平均値は「2」を下回っていますが、唐津保健福祉事務所管内で定点あたりの患者数が増加したため、引き続き流行発生警報は継続中です。
手足口病とは、名前のとおり手・足・口の粘膜などに現れる水疱性の発疹を主症状とした、エンテロウイルス属による急性ウイルス感染症で、幼児を中心に夏季に流行が見られます。
咳やくしゃみによる飛沫感染、便中に排泄されたウイルスによる糞口感染、水疱内容物による接触感染などにより感染し、3~5日の潜伏期の後、2~3mmの水疱性の発しんが手掌、足底、口の中などに出現します。肘や膝あるいは臀部周辺にもみられることもあり、左右の一方、また手足口の一部のみの発疹で終わることもあります。発熱は約1/3に見られますが軽度で、38度以下のことがほとんどです。多くは3~7日で発疹が消失し治癒しますが、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症が生じることもあります。また、便中へのウイルスの排泄は長期にわたり、症状が消失しても2~4週間にわたり排泄されます。
手足口病の原因となるウイルスはいくつもあり、主なものはコクサッキ―ウイルスA16型、A10型あるいは、エンテロウイルス71型となっています。エンテロウイルス属は互いによく似た性質を持っており、異なるウイルスによっても同じ症状が現れることがあります。また、同じウイルスでも違う症状が現れることもあります。例えば、コクサッキ―ウイルスA10型は手足口病の原因になることもありますが、ヘルパンギーナの原因になることもあります。
今回の流行を受けて、県内の医療機関から得られた検体で調査を行ったところ、これまでにコクサッキ―ウイルスA16型が14件、A6型が6件、エコーウイルス3型が1件検出されています。全国的にも、例年に比べコクサッキ―ウイルスA6型の検出数が多い傾向にあり、臨床現場からは本年の手足口病は、従来の典型例と比べて発疹が大きく、四肢末端に限局せずに広範囲に認められる症例が目立つとの情報も寄せられています。
(どのウイルスに感染しているかを、個人が一般の医療機関で調べることはできません。)
手足口病の予防としてのワクチンはありませんが、日ごろから次のことにご注意ください。
〇手洗い、うがいを心がけましょう。
(特にトイレの後やおむつ交換の後、食事の前にはしっかりと手を洗いましょう。)
〇症状のある人との濃厚な接触を避け、タオル等の共有はやめましょう。
〇咳が出る場合は、マスクを着用し、咳エチケットを守りましょう。
〇感冒様症状が現れたら、早めに受診しましょう。
〇嘔吐する、高熱が出る、発熱が2日以上続く、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状がみられた場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

※ 流行発生警報:大きな流行が発生または継続していることが疑われることを示し、定点報告数の県全体の平均値が手足口病の流行発生警報の継続基準値「2」以下に減少するまで継続します。定点報告数の県全体の平均値が「2」を下回り、かつ、全保健福祉事務所管内での定点報告数の平均値が前週の値を下回ったとき、自動的に解除されます。
注目情報
最近、ヨーロッパでは、コクサッキ―ウイルスA6型による手足口病が治癒してから数週間後、爪が浮き上がって剥がれ落ちる症例(爪甲脱落症:そうこうだつらくしょう)が多数報告されており、本年、国内でも似たような症例が報告されています。
佐賀県でも、今年はコクサッキ―ウイルスA6型の流行もみられているため、手足口病が治った数週間後に、爪の変形や爪の脱落などの症状が現れることも考えられます。爪が剥がれ落ちても、正常な爪が生えてくる場合がほとんどですが、このような症状がみられたら、できればかかりつけの小児科や皮膚科を受診しましょう。
また、手足口病に複数回かかる症例もみられています。手足口病に一度かかった方も、引き続き感染防止に努めましょう。
お問い合わせ先
佐賀県健康福祉本部 健康増進課
メールアドレス: kenkouzoushin@pref.saga.lg.jp
