平成20年度第1回小・中連携教育実践研究会議の概要

2010年4月6日

 平成20年度第1回小・中連携教育実践研究会議の概要を御紹介します。

第1回小・中連携教育研究協議会の概要

 

日時   平成20年11月12日(水曜日)14時00分から17時00分

場所   大町町総合福祉保健センター「美郷」 研修室

 

委員   佐賀大学文化教育学部講師、武雄北中学校長、武内小学校教諭、若木小学校育友会長、大町小学校長、 大町中学校教諭、大町中学校PTA会長、県教育庁教育政策課(参事、係長、指導主事)計10名

参加者  委員以外に関係者として、大町町教育委員会及び、武雄北

      中学校から各1名参加会議の様子

主な内容

 (1) 委員委嘱

 (2) 実施地域(武雄市、大町町)の

        取組報告・質疑応答

 (3) 協議・意見交換

  • 小・中連携教育を通しての教職員の意識改革について
  • 小・中連携教育の取組における情報共有について

 

会議の模様

   まず、委員委嘱を行った後、議長を佐賀大学の佐藤講師にお願いし会議を進めました。会議では、武雄市と大町町の2地域の実践研究協力校から取組の状況や悩み、これからの方針等の説明があり、それを受けて質疑応答を行いました。質疑では、取組に対する質問だけでなく、学校での取組に対して踏み込んだ意見等が出るなど最初から活発に行われました。

 

推進地域(武雄市)からの主な報告

   若木小学校、武内小学校、武雄北中学校の3校で小・中連携教育実践研究に取り組んでいる。

   学校間に距離がある中での小・中連携教育の取組であるので、「伝え合いともに根づよく伸びる子ども」という9年間を通した共通の目標を設定している。

  • 小学校では、中学校との接続がスムーズになるように、中学1年生まで見越した指導をしている。
  • 本年度からの取組として、 8月下旬に、武雄北中学校で小学6年生の一日体験入学を実施した。児童は受けたい授業と部活動をそれぞれ2つずつ選び体験した。うまく交流ができていた。
  • 9年間を通した共通目標のもと、児童生徒同士が伝え合う場を設定した授業を行っているので、これを踏まえて、職員間の授業交流も行っていきたい。
  • 武雄北中学校では授業交流週間を設定しており、小学校から授業参観に来てもらうことにしている。

 

質疑・意見交換

(凡例: ○質問等、 ●回答等)

○授業参観を行った後、研究会まで行っているのか。

●今のところ授業参観を行うだけであり、研究会までは開けていない。

○実践研究協力校3校の昨年度までの状況や、この小・中連携教育の前後で職員の意識に違いなどが見られるか。

● 児童生徒の交流として、中学3年生が小学校で読み聞かせ、職員の交流として,教務主任会が中心となり年3回職員の交流を行った。

  また、武雄北中学校では校長が、自分が過去に小学校と中学校の現場を経験してきたこと等を通して、小学校の教育活動の様子や児童の実態等を中学校教員にも伝えている。

○保護者等から「学校は何もわかってくれない」というようなことも言われたりする事例も多いが、学校に対しての外部からの意見等はどうか。

●高校の説明会で、「武雄北中学校からの生徒は力はあるが積極的に前に出てこない、自分を出してくれない」と言われたことがある。

●前に出てこない、自分を出してくれないとのことだが、北中の卒業生の中には、社会に出てとても活躍されている方もあり、必ずしもそうではない。ただ、そのような傾向もあるということだろう。

 

推進地域(大町町)からの主な報告

  大町町では、大町小学校と大町中学校の2校で小・中連携教育に取り組んでいる。2校は隣接した中での連携である。小・中連携教育実践研究の延長線上には、小中一貫校として整備し直すことも踏まえ取り組んでいる。

  • 小学校と中学校では校時が違い、中学校の教員が参観したい小学校の授業時間に、担当する中学校の授業が入っていたり、小学校の教員は学級担任制であるため、空いた時間が少なく、中学校への授業参観等もすぐ行えるものではないが、やれるところから取り組んでいきたい。
  • 「思いやりの気持ちが足りない」、「規範意識が低い」という意見等もあり、小・中連携教育としてできることがないか考えた。幸い小中学生が同じ通学路を通って来ているので、今週から中学生が小学校近辺に立ち、あいさつ運動を実践している。また、中学生が小学校に掃除の手伝いや指導にいく案を小学校に提案している。
  • 小学校では授業の中に「山びこタイム」を設定し、一人一人に発表する機会を与えるなど授業への参加意識を高めているので、中学校でも学習についての達成感を味わうことができるような場面を設けていきたい。
  • 小学校も中学校もそれぞれの文化がある。小・中連携教育に取り組む上では、それぞれの学校がこれまで育んできたものを大切にして、それらをつなげていくことが大切だと思う。
  • 深まりのある小・中連携教育を行うには、取組を数多く行うより、いくつか絞り込んで、実践できるものから始めた方がよいと思う。来年度に向けて行事等の精選をしている。この事業が終わってからも何か伝統として残していけるようなものにできたらよいと思う。

 

質疑・意見交換

(凡例: ○質問等、●回答等)

○小学校と中学校では校時の調整などは行われているのか。

●授業の始まりの時刻などをそろえることまではできていない。

○あいさつ運動など行われているが、学校とPTAとの関係はどのようにされているのか。

●PTA会長として、大阪の池田小学校の事件をきっかけに、あいさつ運動として「登校時に校門に立ちましょう」と学校に申し入れたことから始まった。この活動が地域の他の団体等にも広がり協力して行っていただいたが、現在、団体間の連携協力が十分機能していない状況にある。自分の子どもに対して関心が低い保護者は、学校行事などにも出てこないので、学校の現状などが理解できないでいる。保護者と連携を取る難しさがある。

○職員が他校に出向いて授業参観など交流を行う場合、自分が行う授業はどうしているのか、児童生徒に影響が出ていないのか。

●授業を振り替えるなどし、児童生徒に迷惑がかからないようにしている。その分、参観に行った先生の事後の負担が増えるが、先生方が時間を遣り繰りしていただくなどして補っている状況にある。

○小学校では、授業の中で、自分が自慢できることなどを皆の前で発表する場が設けられているが、これはとてもよい取組だと 思う。昔は児童代表などリーダーにならない限り、人前で話すことはなかったが、今は誰でも発表する場があり、話す体験ができていると思う。

 

協議1(小・中連携教育を通しての教職員の意識改革) 協議の様子

 【2地区における小・中連携教育がこれから先どうあるべきか、何を目指していくべきかを考えてみると、武雄市については、連携する学校間に距離があり、生徒数が減少していく 中での小・中連携教育、大町町については、今後導入を目指している小中一貫教育にどのようにつなげていくかだと思います。それぞれが目指している方向に向け、小・中連携教育を進めていくにあたり、どのような意識を持ってあたるべきか、ご意見をいただきました。】

  • 校長の学校マネージメントに関わることになるが、今後、小・中連携教育の会議を行う場として、校内研修の時間を充てたいと考えている。いずれの学校も水曜日の放課後が校内研修となっているので、共通の意識を持って小・中連携教育にあたる意味でも、月4回ある水曜日のうち1回は小・中連携教育についての会議の場としたい。
  • 教科担任制である中学校では、1時間の授業で教える内容をきちんと完結させないと、次の時間の授業をうまく進めることができない。逆に、学級担任制の小学校では、1時間の授業での児童の状況に応じ、次の時間の授業の進め方に幅を持たせやすい。このように、それぞれに特徴があるが、指導方法や意識、心構えなど、互いの改善に結びつく点などは積極的に取り入れるべきである。
  • 専門的な科目の図工(美術)などは、中学校から小学校に授業に来てもら っている。取り掛かれるところから小・中連携教育を積極的に行ったほうがよい。
  • どのようにしたら意識改革ができるのかといっても始まらない。何か取り組んでいる中から、互いの気持ちがわかって、行うべき方向が見えてくる。共通のことを無理なく行うことが大切である。
  • 大町町については、小・中連携教育について今行っていることを続け、その中から課題を焦点化し、その課題について重点化して取り組んでいくこ とが大切だと思う。意識改革を念頭に置いた小中学校の先生方の交流はよいことだと思うので実践していきたい。
  • 小・中連携教育研究の成果として、現在のカリキュラムをすべて作り変えることは困難である。また、学力について、テスト結果をもって成果とすることは、今回の研究になじまない。このようなことではなくて無理なく取 り組めるようなこと、例えば、小学校と中学校の教員によるティームティチングでの交流 や、児童生徒の家庭学習を通して家庭と学校が共通の目標で連携することなど、これらが今後も続けられるようにしていくことをもって成果としたい。
  • 小・中連携教育を推進していくためにも、小中の接続を良くする意味でも、大いに中学校の職員を活用していただきたい。小学校でどのような教育を受けて中学校に進学してくるのか知るために も、中学校の先生は小学校の授業をもっとよく見ておいた方がよい。

 

【協議1の後半には、小・中連携教育の枠にとらわれることなく、積極的な意見交換の中で次のような意見も出ました。】

 

  • 最近、心が痛むような事件(事件を起こして逃げたり、反省することがないこと)などが起きているが、事件を起こした人はどのような教育を受けてきたのか、その責任は一体どこにあるのかなど考えさせられることが多い。
  • 一義的には家庭がその責任を負うものと思うが、昨今は家庭や地域の教育力の低下がいわれていることもあり、児童生徒が一日のうち大半を過ごしている学校がその役割を担わなければならない場面も出てきている。かといって、学校のみが抱える問題でもない。家庭や地域との連携協力を深めることにより、学校でできること、家庭ですべきことをきちんと言えるような関係を作っていく必要がある。
  • 小学6年生が中学1年生になるのは大きな変化である。6年生まで明るかった子どもが中学生になって急に明るさを失った例もある。地域の行事でしつけられても、その行事が終わると元に戻ってしまう。節目節目で変わってくる子どもがいることもわかっていてほしい。
  • 地域においても指導体制が崩れてきていることを感じることが多い。子どもが地域行事に参加を希望しても親が止める場合もあり、保護者同士の連絡も取りづらい。子どもたちの地域でのつながりも、温度差が非常に大きい。

 

協議2(小・中連携教育の取組の情報共有)

【情報共有についての意見だけでなく、協議1で出された心が痛むような事件についての発言を受けた意見も出されました。】

 

  • 事件を起こす人の多くは、耐性がないのではないかと思う。学びながらその中で耐えることを身につけ、そして達成感を味わうものである。そのような体験をしていない人なのか。みんなで頑張ってみて、やり遂げて、達成感を味わえるような教育が必要だと思うし仲間作りも大切だと思う。
  • 担任の先生の指導は児童生徒に大きな影響を与えている。担任の先生は人としてのモデルにもなっていると思う。
  • 本校では、管理職をはじめ皆が育友会や公民館、学校評議員の方々と密に情報を共有している。
  • ある教育機関が小学4年生から高校2年生までを対象に調査した結果であるが、「小学校のときにもっと勉強しておけばよかった」や「勉強の仕方を身に付けておけばよかった」という項目については、中学1年生でその割合が急激に高くなっている。小学校のどの部分でつまずいているのか、小学校と中学校が連携を取って教育して いくことが大切である。 
  • まず相手を知るという情報の共有があるが、逆に自分を知ってもらうという情報の共有の仕方があると思う。後者の意味では、学校は現在の状況を知っていただくために、ありのままの情報を発信していくことも必要である。その情報を受けて、地域や保護者、あるいは連携しているの他の学校が協力できる部分を担ってくれると思う。小学校はここまでやれている、中学校はどこまでやれるといった情報の共有も大切である。

 

最後に(議長より取りまとめ)

  意見をまとめると、小・中連携教育を進めていくうえにおいて、教職員の意識の差が大きな問題になっているとは思えないようである。むしろ、今後、この連携をどのような形で進めていくのか、考えをまとめていく難しさがある。これからも、種々のご意見をいただき小・中連携教育の推進に努めていきたいと思う。

皆様にとって、より使いやすい県庁ホームページにするため、是非ご意見をお聞かせください。

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