吉野ヶ里町立三田川中学校で授業研究会(2月15日)が開催されました。

2008年4月14日

 吉野ヶ里町では、「生徒指導の機能を活かした学力向上」をテーマに、学力向上を、その基盤となる生活習慣や学習習慣、あるいは、学級経営や、子どもたちの人間関係形成力(人とのより良いつながり)から、アプローチしています。

 今回は、その一環として、三田川中学校において、教科の指導方法においても、学級内での自己存在感や他者への共感的理解を基盤に、小集団学習(グループワークなど)を取り入れた授業を展開されているお二人の先生に公開授業を行っていただき、三田川小学校にも御参加いただいて、研究会を行いました。

 

授業研究会の概要

1 日時

2月15日(金曜日) 午後2時から

2 場所

吉野ヶ里町立三田川中学校 各教室及び応接室

3 参加者

三田川中学校・三田川小学校教職員、吉野ヶ里町教育委員会、県教育委員会

4 概要

(1)社会科の公開授業

(2)理科の公開授業

(3)研究協議

 

公開授業の様子

社会科「武家政治の発展と世界の動き―幕府の体制と東アジア―」(授業者:田中 淳)

【本時の目標】

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  •  幕府による禁教や貿易統制政策の目的を、幕藩体制の維持という観点から考察する。
  •  島原・天草一揆を通じて、キリシタンら一揆軍の抵抗の原因や経過、結果について理解する。

 

【学習内容及び活動】

(1)貿易政策等の推移の整理

 信長・秀吉・家康の貿易政策やキリスト教政策を整理する(ワークシートを活用、ペアによる学習)。

(2)島原・天草一揆の考察

 (1)で整理した歴史の流れを踏まえて、島原・天草一揆に関する資料から、一揆の原因・結果・影響を考える(ワークシートを活用、3~4人の小集団学習)。

(3)鎖国政策の考察

 (1)、(2)の学習内容をもとに、鎖国政策のねらいを考える(個人ワーク及び一斉指導)。

 

理科「天気とその変化」(授業者:古賀 健司)

【本時の目標】

  •  ラジオの気象情報を聞いて、各地の気象データを正しく聞き取る。mitagawa2.jpg
  •  風向、風力、天候を、地図上に記号を使って正しく記入する。
  •  気象情報に対する興味・関心を高め、天気図に対する理解を深める。

 

【学習内容及び活動】

(1)既習事項や学習課題の確認

 天候等を表す記号を復習し、今日の学習課題となったニュース映像等を視聴する(一斉指導)。

(2)気象情報の聞き取りと整理

 ラジオの気象通報から、各地の風向・風力、天候、気圧、気温を聞き取って、班内で協力しながらシートに記入する(ワークシートを活用、3~4人の小集団学習)。

 整理が終わった班や個人は、シートをもとに気づきや感想を記入する(個人ワーク)。

(3)発表及び次時の活動の確認

 気づきや感想を発表し、次時の学習課題を知らせる(一斉指導)。

 

授業研究会

【研究協議の視点】

  • 視点1)自己存在感を育む場が設定され、手立ては有効であったか。
  • 視点2)共感的理解を促しながら、本時の目標に迫ることができたか。

 

【授業者による自評】

○ 田中教諭(社会科)

 書く力を伸ばすため、ワークシートを取り入れた。また、クラスの和やかな雰囲気や人間関係を学習に活かすため、ペア学習や小集団学習を取り入れた。

 特に、年間を通じて、授業の導入部に新聞記事発表を取り入れ、社会への関心や自己表現力を育むとともに、拍手による賞賛・承認等を行い、自己肯定感や共感の形成を図っている。

○ 古賀教諭(理科)

 今日は担任のクラスの授業だったが、年度当初は、コミュニケーションがうまく取れない子もいた。

 しかし、他教科も含めて、年間を通じて、今日のような3~4人規模での小集団学習を取り入れており、このような中で、分からない子を周りが支える、できる子も教えることでさらに伸びるといった学び合いが生まれてきており、この点が学級経営や人間関係づくりはもとより、これらを基盤に学力的な面での成果にもつながってきている。

 

【意見交換】

Q)小集団やペア学習を各教科で取り入れているとのことだが、グループ編成などは何らかの意図をもって行っているのか?

  •  各クラスの普通の生活班を使っており、席順などによる。むしろ、どういうメンバー構成であっても、円滑な人間関係を形成できるようにしていく必要がある。ただし、規模については4人程度がベターというのが、当校内の概ねの共通理解。

 

Q)中学校については、板書と一斉指導といったイメージが強かったが、ワークシートの活用や、ペア・グループ学習など、昔とはずいぶん違ってきているとの印象がある。

  •  もともと、ここ数年来、学力向上を校内研究のテーマとしてきたが、その基盤には、学級経営や子どもたち同士の人間関係の形成などが重要であるとの問題意識に至っており、これらを含めて生徒指導の機能を活かした学力向上としている。この結果、例えば、コミュニケーションが苦手な子も、ソーシャルスキルやグループエンカウンターといった人間関係づくりに関する指導の成果もあって、話し合いへの参加が当初よりは円滑になってきた。
  •  社会科で、「その立場の人(例えば、島原・天草一揆のときの農民など)になって考えてみよう」という発問があったが、単に事実的な知識として捉えるのではなく、内面の思いももって事実を捉えることで深い理解につながると感じた。子どもたちの表情がずいぶん印象的で、教師の言葉かけが大切なポイントと考える。

 

Q)理科の授業で、グループでの作業時間を10分と短めに指示していたが、何か意図があったのか。

  •  グループで協力する場面ではあるので、協力しながらやってもらうという意図はあるが、10分という時間そのものは、前の活動に多少、時間を要したことから、結果的に短くなったものである。

 

Q)グループ活動では、みんなでやっていくということが重要だと思うが、理科の授業ではうまくできていた。班で何かをするということができている。

  •  理科に限らず、各教科でこのような活動をやっているので、人間関係ができてきていることが大きい。お互いにそれぞれの立場で、自然に相手に合わせて気を使うことができるよう、成長してきている。
  •  今後の一つの課題として、グループワークの方法論などについても、ワークシートの工夫なども含めて考えられるのではないかと思っている。

 

Q)小・中連携や中1ギャップなどが問題・課題となる中で、児童生徒観の違い、例えば、小学校はある程度手取り、足取り、中学校は自立に向けて必要な場面ではまかせる、突き放すといったこともあると思うが、その辺との関係ではどう考えるか。

  •  基本的な部分で、発達段階を踏まえてそうあるべきという姿や理念はあるが、その一方、昨今では、子どもたちを取り巻く環境が変化し、小・中学校が完全に不連続なままではなかなかそこについていけないなどの課題も顕在化してきている。
  •  このため、今日のような小・中連携の場を通じて、小学校・中学校の教職員の接続期前後を中心とした教科指導・生徒指導の在り方に、一定の共通理解を形成していく必要があると考えている。

 

 

「保護者・教師の教育に関する意識調査」について

 県企画・経営グループから、保護者・教師の教育に関する意識調査の結果について、主に三神地区のデータをもとに報告しました。学校教育に対する認識において、保護者と教師の認識のずれが大きいことが、三神地区の特徴の一つですが、これらも含めて、今後の同地区でのプロジェクトの協議・検討にも役立てていきたいと考えています。

 なお、「保護者・教師の教育に関する意識調査」の結果は、こちらで公開していますので、ぜひご覧になってください。

皆様にとって、より使いやすい県庁ホームページにするため、是非ご意見をお聞かせください。

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