小城市学校支援・振興プロジェクト第5回プロジェクト会議(3月18日)が開催されました

2009年3月30日

 小城市では、学校支援・振興プロジェクトの取組として芦刈小学校芦刈中学校において、「地域の活力を生かした幼小中一貫教育の研究」のテーマの下、コミュニティ部会、教育課程部会を組織し、地域と学校の連携、小学校と中学校での一貫教育の在り方などについて研究を進められています。

 本年度第5回の会議が下記のとおり開催され、これまでの取組を振り返っての意見交換、各部のまとめの報告と今後の方向性についての検討などを行いました。

 

会議の概要

1 日時 平成21年3月18日(水曜日)15時00分から17時00分

2 場所 芦刈公民館

3 出席者 PTA代表、地元有識者、芦刈小学校及び芦刈中学校教職員、小城市教育委員会職員

県教育委員会職員

4 内容  ○小城市教育委員会教育長挨拶

 ○第1部:意見交換会

テーマ「2カ年間におけるプロジェクト会議の検討結果と小中一貫校に向けての今後の展望」

   ○第2部:研究のまとめの報告と質疑応答

 

会議の様子

  第1部 意見交換会

 テーマ「2カ年間におけるプロジェクト会議の検討結果と小中一貫校に向けての今後の展望」

 

  参加者からは主に次のような意見が出されました。

 【主に小学校と中学校のつながりについて】

  • 小学校、中学校のそれぞれの先生方が、互いの学校の様子や指導の在り方をどのように感じられたのか気になるところである。自分自身が小学校、中学校の両方に係わった経験からは、指導の在り方などかなり違っていて、互いのことを理解する上で、行き違いもあるように思う。小中一貫校になるとその辺りがどうなのかということを危惧している。
  • 幼・保と小学校の連携に携わってきたが、連携を考えるときには形だけのものにならないように、子どもたちの現状の見方や考え方、学び方を踏まえながらやっていくことが大切だと痛感している。小、中学校の連携を考える場合も同じであると思う。
  • 先進校を参観してみて、小中一貫教育の施設に憧れを感じた。予算面など厳しいと思うが、1年生から9年生(中学3年生)までが一堂に集えるランチルームは欲しいと思う。もともと芦刈地区は仲間意識が強く、団結力はすばらしいと思う。これからの芦刈の教育を考えたときに、この仲間意識を育てていくことを重視して欲しい。
  • 芦刈地区は昔から小学校、中学校が1校ずつでもともと身近な関係であるので、地域の方は小中一貫教育ということについて特に意識はしていないのではないか。半ば当たり前のことになっていると思う。歴史があり、自然豊かな地域であるので、それを生かした教育がなされていくとよいのではないか。PTAとしては、小学校と中学校のPTAの連携の在り方を今後検討していきたいと考えている。
  • 9年間のスパンで教職員が協力して子どもたちを育てていくことはすばらしいことだと思う。中学校の授業にTTで係わってみて、小学校で子どもたちが学んだことで中学校でも生かしていけるものがあると感じた。小、中学校の教職員が連携を深め、一緒にやれることや歩み寄れる部分を探し、具体的にやっていくことが大切だと思う。
  • 小6の子どもが中学校の校舎で学ぶという試みは、意欲を持たせたり、中学校進学への不安を解消したりすることに有効だったと思うが、同時に教職員の意識改革にもつながったと思う。今後は、回数を増やしたり、対象の学年を広げたりするなど検討したいと思っている。
  • これからの時代に何を変革し、自己実現のためにどういう力を伸ばし、何を身に付けさせていくのか、例えば、語学で言えば、中3になったら英語での受け答えができるようになることを目指すとか、芦刈ならではの教育の在り方を考えてみたい。より具体的なものを指し示しながら研究を進めていきたい。

 

 【学校と地域の連携について】

  • 子どもたちを地域で育てる、見守っていくという意識づくりが大切だと思う。意識を高めていくことは難しいことであるが、繰り返し繰り返しやっていくことが必要だと思う。声高らかに訴え続けてもらいたい。
  • 地域の方に学校に来てもらうためには、何かきっかけが必要だと思う。まだ、「学校は敷居が高い」と感じておられる方も多いと思う。「来てくれ、来てくれ」と呼び掛けるだけではなく、大掛かりでなくてもよいので、細かい単位での学習発表会を開いたり、ふれあいが広がるようなイベントを企画したりするなど工夫してみてはどうか。
  • 学校と地域の連携では、芦刈地区の取組は非常に充実しており、「夢つなぎ」というコンセプトとマスコット名の「ユメリン」は学校・地域連携事業のシンボル的なものだと感じている。今後は、支援活動に参加する新しいリーダーの確保が課題となるのではないかと思う。

 

 【地域への情報発信等について】

  • 地域の方が学校に協力的であることは感じているが、小中一貫教育がどういう取組なのかはまだ知らない方が多いと思う。
  • 小中一貫教育に関しては、例えば、○年生では、こういう姿を目指しているといった具体的な姿がイメージされるような広報も考えていくべきではないだろうか。今までの学校とどう違うのかというのが伝わるように工夫する必要がある。また、ある地区では新聞記事での報道もあって、いろいろと議論されているという話を聞くが、芦刈の学校をどうするかという議論を深めるためにも、どこまでどう進んでいるのか情報を流すことが大事だと思う。
  • 家庭や地域に対して、子どもの具体的な姿として小中一貫教育について発信することは大事なことだと思う。例えば、小中一貫教育を研究されているある学校では、中学生が小学校の前であいさつ運動を行うという取組をされているが、小学生と中学生の交流が深まるだけでなく、中学生としての自覚を深め、地域でもきちんとした態度で行動できるなど、具体的な姿として現れることで地域の方も評価をされているという事例がある。

 

 第2部:研究のまとめの報告と質疑応答

  コミュニティ部会の取組について 取組の報告の様子

 コミュニティ部会では、これまでの地域ボランティアを取り入れた取組の洗い出し、新しくお願いしたいボランティアの検討、地域ボランティアの募集などに取り組んできた。本年度は特に、学校地域連携コーディネーター配置事業を活用し、新たに「学校・地域夢つなぎ応援協議会(ユメリン)」を立ち上げて、地域と学校をつなぐコーディネートを行うこととした。

 小学校での野菜作りや牛乳パックはがき作り、募金活動とそれを使っての植樹祭、中学校での干物作り体験など地域の方々の支援を受けながらさまざまな活動を行った。その結果、「芦刈を自慢に思う」「地域の方と一緒に活動し、学びたい」といった子どもたちの感想が寄せられるとともに、教師の側からも「よいコミュニケーションの場となった」「学校と地域のつながりが強まった」といった声が聞かれるようになった。

 今後は、保護者の参加の促進、9年間を見通したカリキュラムの作成、地域の方の学校での居場所作りといったことに取り組んでいきたいと考えている。

 

 教育課程部会の取組について

 教育課程部会では、小中一貫教育へ向けて、カリキュラムの研究、小学6年生の中学校校舎における活動の実践、小中一貫教育に対する保護者へのアンケートの実施などを行った。

 年度初めに小学6年生に対して行った中学進学に対する意識調査では、「楽しみにしていること」では、授業、行事、部活動が上位であり、逆に「心配なこと」では、先輩、部活動、授業内容といったものが上位であった。

 本年度は、小学校から中学校へのスムーズな移行を図る目的で、小学6年生に対して、中学校校舎での学習を実施することにした。一学期を「芽吹く」時期として中学校舎に触れるというねらいでの取組を、二学期を「咲く」時期として中学校舎で学習する利点を生かした取組を、三学期を「実る」時期として中学校入学を意識した取組をそれぞれ行った。具体的には、出前授業としての中学校教職員による授業や中学生との交流授業などを実施した。各教科の担当が専門性を生かした授業を展開し、中学校での学習への関心を高めさせることができるとともに、中学生との交流により先輩に対する憧れを持つ子どもたちもいたようである。これらの活動の後に行った意識調査では、「心配なこと」として上げられるものがかなり減るなど、相当の効果があったと感じている。

 一方、小中一貫教育に対する保護者へのアンケート結果からは、「スムーズな進学」や「先進的な取組・特色ある取組が期待できる」という回答が多く見られるとともに、9年間の指導で望むものとしては、「思いやりやいのちを大切にする教育」、「基礎学力の定着」といった答えが多く見られた。

 

 意見交換

  • 地域には「名人さん」がたくさんいらっしゃるので、ボランティアの方の登録者数を増やせればと思っている。同時に、地域にお願いするばかりでなく、教職員の専門性を生かして地域に貢献できることがないかということも考えてみたい。
  • プロジェクト会議に小学校、中学校の教職員が入れたことはよかったと思う。来年度、カリキュラムの研究は作業部会で引き続きやっていくが、小学校の先生方が中学校の授業や活動にどのように係わっていくのか検討が必要だと思っている。例えば、長期休業中に、中学校での学習会に入ってもらうと、指導スタイルの幅が広がるのではないかと思う。小学校、中学校の職員が互いに夢を語る場が必要であると思う。将来的には施設的な面で、せめて職員が一緒の場所で仕事ができる環境ができればと願っている。
  • 2年間のプロジェクトに取り組んで、小学校と中学校のシステムや考え方の相違などもあり、随分苦労もされてきたことと思う。今後も研究を行っていくことにしているが、小学校、中学校の思いや実情を汲みながら進めていきたいと考えている。

 

会議に参加して(担当者から)

 2年間の研究を通して、小学校と中学校のつながりをどうすればよいのか、その課題が明らかになるとともに、各学校でも具体的な取組が進んで来ましたが、「地域の学校として何を求めるのか」という視点からの協議・検討が行われてきたことは、小中一貫教育に限らず重要なことであったと思います。

 地域の方に支えられながら、子どもたちが生き生きと学び、自己実現へ向けて力をつけている様子が各部会等の報告からもよく分かりました。今後も引き続き、研究を継続されることになっていますので、「芦刈ならではの教育」がさらに充実し、発展していくものと感じました。

 

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