伊万里市「いのち」をみつめるフォーラム(黒川小学校、大川内小学校)が開催されました
伊万里市教育委員会では、学校支援・振興プロジェクトの取組として「子どもたちの課題を踏まえた人間力形成へ向けた教育内容の開発」のテーマの下、家庭や地域との連携を図りながら「いのちの教育」の一層の充実を目指していくため「いのちの教育」研究委員会を立ち上げ、昨年度から研究、協議を重ねられています。本年度は、「伊万里っ子しぐさ」研究委員会も加わり、より効果的な心の教育、「いのちの教育」の在り方を検討されているところです。
このうち「いのちの教育」研究委員会で検討、協議を重ねてきた「『いのち』をみつめるフォーラム」が下記のとおり、開催されました。
伊万里市「いのち」をみつめるフォーラムの概要
○黒川小学校
「子どもとみつめる『いのち』のフォーラム IN 黒川町」
(1)日時 平成20年11月9日(日曜日)9時35分~15時
(2)場所 伊万里市立黒川小学校
(3)内容 ○道徳公開授業(全クラスで「いのち」の授業を公開)
○「いのち」をみつめる唄と読み語り
○親子のふれあいランチタイム
○「いのち」をみつめる集会
○大川内小学校
「こころに響く・こころがうごく・『いのち』を伝える・『いのち』に向き合うフォーラム IN 大川内町」
(1)日時 平成20年11月28日(金曜日)13時~16時30分
(2)場所 伊万里市立大川内小学校
(3)内容 ○「いのち」に感謝の会
○「いのち」煌く全授業
○みんなで創る「いのち」の授業テーブルセッション
黒川小学校のフォーラムの様子
○道徳公開授業の様子 
1年生
主題「愛されて生まれ育てられた命」
資料「おたんじょう日 おめでとう」
授業のねらい…資料を読み合うことにより、主人公が両親や家族に喜ばれ、大切にされて生まれてきたことにふれさせる。そして、自分自身も主人公と同様に、家族に待ち望まれて生まれてきたことを感じとらせる。

2年生
主題「誕生の喜び」
資料「生まれてきてくれて ありがとう」
授業のねらい…妹の誕生を喜ぶ主人公の気持ちを考えながら、生まれてくる生命が家族みんなに祝福され、大切にされていることに気づかせる。

3年生
主題「みじかい命をだきしめて」
資料「さよなら リキ」
授業のねらい…資料を読み、身近なものの死がどれだけつらく悲しいものなのか、自身の経験を振り返らせながら、また友だちの話を聞きながら想像させていく。また、「処分される命」があることを知らせ、命の重みに軽重はないことを考えさせる。
4年生
主題「命への思い」
資料「いのちの音」
授業のねらい…資料を読み、「生」と「死」を見つめることを通して、命の尊さに気づき、命を大切にしていこうとする心情を育てる。
※参観されている保護者からも意見を聞き、授業に生かされていました。

5年生
主題「命を支える強い思い」
資料「Believe(信じる)」
授業のねらい…病気と闘いながらも、懸命に生きようとした主人公の強い信念に共感しながら、主人公のつらい気持ちをただ単に「かわいそう」という言葉だけでなく、自分の言葉で表現させ、主題にせまっていく。

6年生
主題「愛されている『いのち』」
資料「『お母さん・・・』そのあとは言葉にならなかった」
授業のねらい…親は、ある意味で「居て当たり前」の存在になっている。この期の子どもたちは自我の目覚めで、そんな親をうとましく思い、反論してしまうことがある。主人公の心情に寄り添うことで、親に対する気持ち(感謝・愛情)を高めていく。
各学年とも、子どもたちの発達段階や学級の実態等に応じた内容と方法で授業が展開されていました。家族からのメッセージやゲストティーチャー、保護者からの発言など、「いのち」を自分自身のこととして考えていくために様々な工夫がなされていました。また、各学年で用いられた資料は、平成17年、18年に伊万里市教育委員会で作成された「いのちの教育指導資料」に収録されているもので、併せて昨年度作成された指導資料用の「挿絵」も活用されていました。
○「いのち」をみつめる唄と読み語り
【案内人】 草場一壽さん(陶彩画家)
【ピアノ・唄】 弓削田健介さん(シンガーソングライター)
【読み語り】 副田ひろみさん(フリーアナウンサー)
絵本「いのちのまつり ~ヌチヌグスージ~」、「いのちのまつり つながっている」の読み語りや草場一壽さんが作詞し、弓削田健介さんが作曲した「弥栄」(いやさか)の弾き語り、副田ひろみさんの「いのち」に関する体験談など、三名の講師の方の「いのち」に対する熱い思いが会場いっぱいに広がっていました。
参加者の中には、目頭を熱くし、涙を流す方もおられ、子どもたちだけでなく、保護者や地域の方、そこにいたすべての人が「いのち」をみつめ、感じる時間であったように思います。
○「親子のふれあいランチタイム」の後、午後からは「いのちをみつめる集会」と題して、子どもたちがこれまで「いのち」に関して学習してきたことを学年ごとに発表しました。
なお、フォーラムの様子は、黒川小学校のホームページにも紹介がありますので、ご覧ください。
大川内小学校のフォーラムの様子
○「いのち」に感謝の会
児童が代表委員会で企画した内容で、運営も児童の代表が行いました。地元の区長会、婦人会、「たんぼの学校」の校長先生、交通指導員さん、放課後児童クラブの先生など日ごろお世話になっている方々をゲストとして招き、感謝状や子どもたちがそれぞれにデザインした絵柄のメダルなどが贈呈されました。
また、大川内小学校のオリジナル曲である「好きです 大川内」を感謝の心をこめて児童全員で合唱しました。
最後に、ゲストの代表として「たんぼの学校」の校長先生からお話がありました。
「よい米にしていくためにわざと水を抜いていたのに、暑さを心配した先生方がたんぼに水を入れた」ことや「親子の牛を連れてきたとき、親牛が逃げてしまったが、『あわてて追いかけなくても、子牛がいるから必ず帰ってくる』とみんなを諭した」ことなどの楽しいエピソードなどを交えながら、子どもたちへ温かいメッセージを伝えていただきました。
○「いのち」煌(きら)めく全授業
2年生
授業者 足立成美 (杵西教育事務所指導主事)
主題 「ありがとう!お母さんの『いのち』」
資料名 「きつねとぶどう」
授業のねらい…自分の身近なところでお世話になっている人の愛情の尊さを知り、それに感謝する心をはぐくむことで、「いのち」を大切にする心を持つ土台をつくる。
3年生
授業者 佐藤幸規 (中原小学校教諭)
主題 「『いじめ』なんてしたくない!」
資料 いじめの絵(授業者作成資料)
授業のねらい…「いじめの具体的な姿(言葉)」「いじめる側に含まれる人たち」「いじめで悲しい思いをする人」について考えさせるとともに、さまざまな人々の「いじめ」に関わる悲しみや苦しみにふれさせたりすることで、「いじめはいやだ」「「いじめをしたくない」という心情を育てる。

4年生
授業者 馬原俊浩 (神埼市教育委員会指導主事)
主題 「感じる『いのち』」
資料名 「よだかの星」
授業のねらい…よだかの心情をいのちの観点から考えることができるとともに、共に感動することで今、一緒にいる喜びを感じることができる。
※最後に教室中に星が光るという仕掛けがしてありました。
5年生
授業者 中尾聡彦 (伊万里市教育委員会指導主事)
主題 「『いのち』をつなぐ絆」
資料名 「侑奈へ~『いのち』の誕生をみつめて~」(授業者体験談)
授業のねらい…自分とかかわりのある人々とのつながり(絆)を大切にすることが、「いのち」を大切にすることにつながることに気づくことができる。
6年生
授業者 吉村清美 (大川内小学校校長)
主題 「いのちの絆 …プラス思考を持って生きるために…」
資料名 「旅立つ日」
授業のねらい… 誰にでも、いのちに終わりが来ることを感じとらせ、それぞれのいのちに対する思いや考えを自覚させる。
○みんなで創る「いのち」の授業テーブルセッション
授業後、それぞれの教室において、保護者も含めた参観者とともに「いのち」の授業の在り方について語り合いました。
- 「いのち」「家族とのつながり」などを題材とするとき、子どもの家族の実態などを受けて配慮すべきこと。
- 子どもたちに実感を伴った道徳的価値へと高めていくために工夫すべきこと。
- 道徳性の評価をどのようにするのか。授業方法についての評価はできるが、子どもたちにその時間でどの程度、道徳性が高まったのかをみるのは非常に難しい。
- 学校の日常生活における先生の姿勢、語りかけが「いのち」の授業に与える影響は大きいのではないか。
といったことなどについて、授業者、参観者で活発に意見交換が行われました。
参観された保護者の感想から
- 公開授業では、命について講師の先生や担任の先生の連携された授業をしていただき、大変すばらしい時間であったと思います。親の目から見て、幼稚な子どもたちだと思っています。先生方にすれば、もう少し気の利いた答えを期待されていらっしゃったのではないでしょうか。しかし、それをうまく掘り下げて子どもたちに考えさせる授業を進めておられました。ぜひ、今回の授業の続きをお願いしたく、観ていた次第です。
- 今回のような、保護者など周りの大人を学校に取り込む仕掛けに、なるほどと思いました。子どもの周りにいる大人が「いのち」について真剣に伝える機会になると思いました。子どもたちには、自分の周りに、学校の先生や友達、家族、地域の人など、たくさんの温かいまなざしがあるということを感じて育ってほしいと思います。我々保護者もその一人として、わが子を含む地域の子どもたちの育つ姿を今後も見守りたいと思います。
- 授業はシンプルでストレートに子どもたちに伝わっていると感じました。子どもたちは年相応の感性で「いのち」の大切さ、絆のもつ意味の深さを受け止めたと思います。また、親にとりましても改めて人と人とのつながりや絆を考えるきっかけになり、今後、自分の生活の中で子どもと共に考えてゆけるよいテーマになりました。
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佐賀県教育庁 教育政策課
メールアドレス: kyouikuseisaku@pref.saga.lg.jp

