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平成22年度魅力ある学校づくり推進事業実践発表会を開催しました

2011年3月4日

 第12回佐賀県教育センター教育実践交流会の分科会において、平成22年度魅力ある学校づくり推進事業実践発表会を下記のように開催しました。

 

1 目的

(1)魅力ある学校づくり推進事業に取り組む学校等の実践発表を行うことで、取り組みや成果の普及を図る。

(2)取組状況を確認し情報交換を行うことで、今後の取組の参考とする。

(3)本事業に係る諸連絡を行い、周知徹底を図る。

2 期日

 平成23年2月17日

 

3 開催場所

  佐賀県教育センター大研修室

 

4 参加者

  92名

(1)魅力ある学校づくり推進事業で提案公募分に取り組む学校等の代表者

(2)該当校を所管する市町教育委員会の担当指導主事等

(3)管轄教育事務所の担当指導主事

(4)参加を希望した県内及び県外の学校関係者

 

5 内容

 (1)  実践発表及び質疑応答

交流会

テーマ

発表校(発表者)

3

14時20分

~15時20分

子ども、職員、保護者、地域がともに学び続ける「学びの共同体」づくり

白石町立有明東小学校

(教諭・眞﨑 靖)

生徒と教師が共に学びあう楽校

小城市立小城中学校

(主幹教諭・内田和一)

4

15時40分

~16時40分

地域の知恵、教師の知恵が育む北波多っ子

~知識・体験拠点としての学校(北波多知恵コミュニティ)の創造~

唐津市立北波多小学校

(校長・中村義彦)

夢や目標をもち、主体的に学び行動する生徒の育成

~進路指導・学習指導・生徒指導を統合したキャリア教育の実践をとおして~

鳥栖市立田代中学校

(教諭・篠田桂子)

  (2)  諸連絡

  • 本事業の取組状況に係る各学校等におけるホームページの充実について
  • 本事業に係る成果指標及び達成状況の公開について
  • 本事業に係る補助金の使用及び実績報告書の記入について

 

6 実践発表の概要紹介

白石町立有明東小学校 【子ども、職員、保護者、地域がともに学び続ける「学びの共同体」づくり】

(1)発表要旨

○国語科を中心として「聴き合う関係」を基盤とした質の高い授業づくり

○命を大切にし、自分を大切にし、他を愛する児童を育てる心づくり

○保護者・地域と協働し、校区内の基幹産業である稲作を中心とした体験活動の充実

本校では、「学びの共同体づくり」の実現に向け、本事業に係る公開授業研究会を自主的に年2回開催している。東京大学の佐藤学教授を講師に迎え、本校の取組を積極的に公開し、教育に携わる者が共に学び合う場を提供している。

コの字型に児童の座席を配置することにより、聴き合う関係を高める学び合いの場を工夫し、児童の学びの過程に寄り添った積極的な見取りや見る・話す・つなぐ・もどす等の教師のかかわりを大切にしてきた。その結果、児童は発言しやすくなり、学ぶ意欲が向上しつつある。また、ペア及び小グループによる学び合いを適時取り入れたことにより、聴き合う関係が向上し、学び合いが活性化すると共に児童の思考に広がりと深まりが出てきた。低学年においては、ペアによる学び合い、高学年に進むにつれて小グループによる学び合いが有効であり、学び合いには、相手の考えをしっかり聴きながら、自分の考えをつなげていく児童間の関係が大切なことが明らかとなった。

 本校では、児童の心づくりのために、教師の講話を中心とした集会や講師を招いての集会等の人権教育に取り組んでいる。この取組をさらに充実させるために、町の社会福祉協議会と連携した「ハートフル朝会」を新設した。「ハートフル朝会」では、妊婦による講話、嬉野高校からのUD教育出前授業、高齢者疑似体験、車椅子体験、アイマスク体験等を実施し、児童の福祉に対する理解が深まっている。

また、農業体験が乏しい児童に対して、学校横に田んぼを借り受けた稲作体験活動を行っている。JA職員や老人会、保護者の協力の下、地域の農業に携わる方々を講師に招いての指導を実施することにより、農業に対する思いや苦労等に対する理解が深まっている。

本事業により、学校で行っている様々な体験活動において地域との連携が進み、学習環境が整うと共に児童の体験活動が充実している。

 

(2)主な質疑応答

<問>「聴き合う」という言葉に込められた思いについて伺いたい。

  • 全ての児童が安心して豊かに学んでいくためには、まずは相手の発言をていねいに聴くこと、お互いに聴き合うことがスタートととらえ、授業づくりの中で特に大事にすることを共通理解して学校全体で取り組んでいる。

<問>「学びの共同体づくり協議会」について伺いたい。

  • 本事業の指定を受けた平成21年度から、いろいろな学校行事の中で地域の力を借り、地域と一緒になってやりたいという思いで立ち上げている。さらに積極的にアピールしながら、今後も充実させていきたいと考えている。

 

小城市立小城中学校 【生徒と教師が共に学びあう楽校】

(1)発表要旨

○学び合いを取り入れた学習の充実

○生徒の学びを中心とした授業研究会の工夫

○地域の人材を活用した補充学習の実施

 

 生徒が楽しいと感じる学校づくりを進めていくためには、教師自身も楽しいと感じる学校づくりが大切である。生徒も教師も共に学び合い成長できる楽しい学校(楽校)を実現したいと考え、本テーマを設定した。「わからない」が言え、誰もが認められる学級づくりをベースとし、生徒の実態に応じた学び合いをデザインすることにより、学習することに喜びが生まれ、学力と人間関係力の向上が図れるととらえている。この学び合いを取り入れることで、教えられる生徒は安心して学習に参加でき、教える生徒もよい学び直しの機会となっている。温かな教室が実現でき、生徒同士で学び合おうとする姿勢が向上している。

 「生徒に望む学び合いを教師集団においても実現しよう」という合い言葉により、教科の壁を超えた教師の意識変革を促す授業研究会となるように努めている。全員授業及び講師を招聘した授業研究会等を実施することにより、教師がどう教えるかに傾斜するのではなく、生徒にどう学ばせるか、生徒がどう学んだかを議論するようにした。また、授業批判よりも授業に学ぶ視点をもつことを大切にするよう努めた。このことにより、徐々に教師の意欲が高まり、教師同士の学び合う関係ができつつあると感じている。

 地域人材を活用した取組として、夏休みの補充学習(サマースクール)とスキルタイムを行っている。平成22年度のサマースクールは、地域の退職教員や大学生34名の協力の下、3~4日間、全学年において実施した。スキルタイムは、地域の退職教員や大学生7名の協力の下、全11回、全学年において実施した。生徒の質問に個別に応じる体制をとり、学力向上対策として取り組んでいるところである。

 本事業により、生徒の学力向上に向けた取組が充実したものとなっている。

 

(2)主な質疑応答

<問>本事業は学校が抱える課題を解決していくことがねらいとなっているが、小城中学校の魅力ある学校づくり推進プロジェクトの組織図にある「学習支援部会」の活動について伺いたい。

  • 特別支援教育に関する活動もあるが、現状では不登校生徒に対して支援していく活動が多い。なかなかすぐには解決できる課題ではないが、個々のケースに応じて、学校だけではなく、家庭や地域、関係機関の連携を大切にして取り組んでいくことが大切だと感じている。

<問>教師主導のやり方と生徒主体のやり方のバランスをどのように図っていくのかが課題だと感じているが、このことについて小城中学校においてはどのようにとらえているのか伺いたい。

  • 各教科等の年間指導計画の作成と単元づくり、1時間の授業づくりといったスパンにおいて、生徒の実態や学習内容に応じてこの2つのバランスをよりよくデザインする力が教師に求められているととらえているので、実践を通した議論を重ねているところである。

 

唐津市立北波多小学校 【地域の知恵、教師の知恵が育む北波多っ子~知識・体験拠点としての学校(北波多知恵コミュニティ)の創造~】

(1)発表要旨

○地域の知的財産を活用した連絡協議会の開催

○地域の知恵を集約した人材バンクの充実

○情報発信の日常化

 

 人・文化・歴史・自然に恵まれた北波多の地に学び、地域に愛着心を抱く心豊かな児童の育成を図ると共に、地域の学校に対する親近感・信頼感を高め、地域に開かれた学校づくりをめざして取り組んでいる。学校教育目標と本事業の目標を関連させ、地域の声に耳を傾けながら、事業終了後も地域連携を推進できるシステムづくりを考慮しながら進めてきたが、本事業を通して地域との絆が深まっている。

 本校では、地域の知恵を集約した人材バンクの充実に力を入れている。学校支援ボランティアとして組織している「読み語りボランティア」「父親作業ボランティア」「母親作業ボランティア」「パソコン室ボランティア」等の活動は、教育環境の改善充実、児童の学びの充実につながっている。また、総合的な学習の時間や生活科においては、地域のボランティアの方々の協力をえながら多くの体験活動を取り入れ、児童の学びが地域に貢献する実践も生まれている。平成22年度は、全校で「感謝の会」を開催し、児童は学んだことや世話になった地域の方々への感謝の気持ちを表現することができた。「感謝の会」は、児童にとっても地域の方々にとっても有意義なものとなった。

 情報の発信については、学校便りをはじめ、学校のホームページやブログを使って実施している。ブログの更新はほぼ毎日行っており、地域の方も熱心に見ていただいている。学校の出来事に興味をもつ保護者が増えており、家庭における親子の会話に生かされているといった声が寄せられている。

平成22年度の実績として、現在約130人と8団体が本校の人材バンクに登録され、活用の種類も9種類に増えた。アンケート結果からは、地域が好きと感じる児童が96%、地域と連携してよかったと感じる教職員が100%となり、学校と地域が連携した取組により、年度当初に設定した本事業の実施に係る成果指標の数値目標を達成することができた。

 

(2)主な質疑応答

<問>本事業に2年間取り組まれた中で、課題の解決及びテーマの実現に向けて補助金を有効に使われてきたと思うが、本事業の指定がなくなれば補助金の配当もなくなるため、必要な予算について今後どのように対処される予定なのか伺いたい。

  • これまで構築してきた地域連携のシステムがこれからも継続的に機能していくように、唐津市の研究指定及び学校PTA予算を活用していく方向で検討している。また、謝金等については、いらないといった声も多く、正にボランティア組織としての意識が地域に培われてきており、大変ありがたく感じている。

 

鳥栖市立田代中学校 【夢や目標をもち、主体的に学び行動する生徒の育成~進路指導・学習指導・生徒指導を統合したキャリア教育の実践をとおして~】

(1)発表要旨

○人間関係づくりの視点に立った全校的な取組の推進

○総合的な学習の時間における探究的、体験的な学習の充実

○学年生徒会による居場所づくり、出番づくり

 

 これまでの生徒の実態から明らかとなった課題を踏まえた学校教育目標の実現に向けて、生徒が将来、自立してたくましく生きていくために必要となる人間関係形成能力・情報活用能力・意志決定能力・将来設計能力の伸長に力を入れ、キャリア教育を教育活動の中核にすえて取り組んでいる。校長の力強いリーダーシップの下、めざす生徒の姿等を全職員で共通理解して日々の教育活動にあたり、校務分掌にキャリア教育コーディネーターを設けて推進しているところである。

 4つの能力の中では、人間関係形成能力の育成に重点を置き、マナー講話、マナー検定、QUテスト、構成的グループエンカウンターを行ってきた。マナーの基本は、相手への思いやりや相手の受け止め方が大切であることに生徒が気づくと共に、中学生の時期に礼儀やマナーについて学ぶことはとても意義深いものであった。日々の生徒の態度や敬語の使い方に変容が見られ、自然に実践できる生徒が増え、人間関係づくりや学級づくりにおいて効果がみられた。実施計画やワークシートについては、本校のホームページから取り出せるので是非活用してほしい。

 総合的な学習の時間は、他教科等における学びの土台づくりと位置づけ、1学年「郷土を知る」、2学年「郷土にふれる」、3学年「郷土に生かす・郷土をつくる」を学年テーマとして設定して実践を積み重ねた。地域の方々の協力の下、郷土の「人・もの・こと」にこだわった探究的な学習活動により、よりよい生き方を学ばせるようにしている。平成22年11月15日には教育関係者及び地域の方々、保護者に対して、自主的に実践を公開した。これらの取組により、生徒は今の自分を見つめ直したり、将来の姿を思い描いたりすることができた。

 学年経営では、生徒の居場所づくりと出番づくりを重視し、生徒の自治組織である学年生徒会の充実を図るように努めた。当組織の生徒は、それぞれに学習・行事・集会・総合的な学習の時間を担当し、意欲的に活動することができた。教師も、それぞれに役割を明確にして、生徒のよさを「みつけ・みつめ・のばす」生徒指導と見通しを持った計画により、生徒をよりよい方向へと導いていけるようにした。

 平成22年度に実施した全国学習状況調査の生徒意識調査結果、学校評価アンケート結果、進路意識調査では、本事業を通して本校がめざしてきた項目において、学年が上がるにつれて大きく向上してきており、成果が確実に現れてきている。また、県内公立中学校初となる平成22年度キャリア教育文部科学大臣表彰を受賞し、今後に向けて大きな励みとなっている。

 

(2)主な質疑応答

<問>小中連携、中高連携の取組について伺いたい。

  • 田代中学校においては、年度初めに小学校教職員を招いての授業参観、意見交換会を実施し、夏期休業中には部会ごとに具体的に連携できることについて協議し、すぐに共通実践できることについては取組をはじめている。例えば、教育相談部会では、不登校生徒の共通理解をするための診断カードの活用を進めている。また、小学校の授業を中学校の教職員が参観する取組も行っている。中高連携については、一部の教科において授業交流をしている段階である。

<問>「マナー検定」について補足をお願いしたい。

  • 人間としての成長のきっかけとなり、よりよい人間関係を形成していくためには、生徒の興味を引く、これまでにない何か新しいものに取り組ませる必要があるのではないかという思いからスタートしたものである。生徒が主体的に自らを鍛える場となるものを創造したいと考えた。企業のマナー検定等いろいろな取組を調べてみたがイメージと会わない部分もあったため、佐賀清和高校の教養の時間の中で行われている礼儀指導、マナー指導を参考にして、平成21年度から取り組んでいる。6名前後のグループに対して、ごく簡単な一問一答形式による5分程度の面接であり、1時間で1クラスを終わらせる計画で実施している。学年、学級において事前指導を行ってから実施し、事後指導として生徒個人が自己評価カードをもとにしてふりかえるようにしている。生徒の関心も高く、マナーの専門家を招いてのマナー講話と合わせた指導により、マナーの基礎が整い、生活面や学習面における態度の向上に結びついている。

皆様にとって、より使いやすい県庁ホームページにするため、是非ご意見をお聞かせください。

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