全国学力・学習状況調査等を活用した学校改善の推進に係る実践研究事業の成果報告書を取りまとめました

2009年3月27日

 今年度、県教育委員会では、学力向上重点対策の一つとして、9校の調査活用協力校(佐賀市・唐津市・玄海町)とともに、「全国学力・学習状況調査等を活用した学校改善の推進に係る実践研究事業」に取り組みました。

 このたび、その成果報告を取りまとめましたのでお知らせします。

 

[報告書概要]   ※詳細は、添付の報告書をご参考ください。

1 全国学力・学習状況調査からみた本県の傾向と課題(報告書p.3~41)

 昨年8月末の文部科学省による平成20年度全国学力・学習状況調査結果公表以降、本県では、独自に学力及び意識・生活面の傾向や、意識・生活や学校の取組と学力との関係などの集計・分析等を行いました。

 今回の報告書では、これらをもとに、さらに補足的な分析を行い、本県における授業改善・学校改善のポイントとして、以下の4点を提起(p.41)しています。

 

○ 授業づくりには、目標とともに「実態」を把握し、仮説をもつことが大事

○ 教科指導・学習指導とともに、チャレンジ精神など「積極性」の涵養が大事

○ 国語では、「書く・表現する」と「読み取る・理解する」との関連付けが大事

○ 算数・数学では、知識を「覚える」だけでなく、「理解させる」ことが大事

 

2 調査活用協力校による改善への取組(報告書p.43~54)

 昨年度来の「学校支援・振興プロジェクト」の成果を踏まえ、今回の事業に取り組むに当たって、「訪問支援をベースとした現場志向」、「根拠に基づく共通理解のもとでの改善」、「情報の共有と自身の客観視」の3点を基本に取り組みました。

 この結果、各学校では、例えば、以下のような取組がなされました。


(1) 唐津市立玉島小学校の例:焦点化された課題に基づく指導仮説の設定

 課題の本質を探っていく中では、それぞれ別の課題と思っていたものが、実は根の部分でつながっていたということが往々にしてあります。

 同校では、「伝え合う」をテーマに、当初、「話すこと」を課題としていましたが、協議・検討を通じ、実はその根幹に「聞くこと」が課題との考察がなされ、スピーチタイムへの聞き取りメモの導入や、授業における話し合い活動の改善等に取り組まれました。


(2) 唐津市立北波多小学校の例:児童の実態に基づく自作教材や課題提示

 教科書や指導書、既成の教材等のみに頼らず、全国調査など、各種調査の分析結果に基づき、児童の実態・課題を掘り下げ、これらに基づく授業を展開された例です。

 同校では、分析結果をもとに、算数について、「数学的な知識の理解を伴った習得のため、複数の手段や表現を用いて問題を解く力を養う必要がある」との共通理解のもと、授業における自作課題の提示やワークシートの開発等に取り組まれました。


(3) 玄海町立有浦中学校の例:主体的な家庭学習と授業風景1意味理解のための逆の活動

 調査結果の分析を通じ、これまでの取組の成果・課題を総括しながら、学校として新たな段階への飛躍をテーマとして取り組まれた例です。

 同校では、これまで基礎・基本の定着や家庭学習の習慣化に熱心に取り組まれ、その成果もみられる反面、生徒の主体性・積極性が課題との問題意識もあったことから、家庭学習ノートの見直しや数学の授業における課題提示の改善等に取り組まれました。


(4) 唐津市立厳木小学校及び佐賀市立思斉小学校の例:授業風景2暗黙知の可視化・共有による進化型の校内研究

 厳木小学校では、これまでとかく可視化・共有が難しかった授業づくりのポイントやノウハウを、校外の教育関係者の知見も幅広く集約しながら、十か条という形で分かりやすく共有可能な形にするなどに取り組まれました。

 また、思斉小学校では、教科からのアプローチはもとより、児童質問紙の結果にも着目して掘り下げ、学級・学年の枠を超えた課題への共通認識を形成し、数十回にのぼる授業研究を通じて、校内における課題の共有・改善に取り組まれました。

 

3 今回の取組の成果と今後の課題(報告書p.55~61)

 事業を通じ、学力調査という事実根拠をもとに、各学校グラフごとに課題を焦点化し、それぞれに応じた取組がなされた結果、

○ 学校での学力調査結果を活用した研究マネジメントの仕組みやノウハウの確立

○ 学力面での様々な課題に応じた授業改善への多様なアイディアや手法の蓄積

○ 県としての調査結果に基づく訪問支援のための方法論の確立

等の成果が得られたところです。

 また、これらの各調査協力活用校では、学力調査の正答率についても、県平均と比べて改善がみられています(グラフ参照)。

 

 今後は、11月に着手した「学力調査等分析・改善支援プロジェクト」等を通じ、さらにより多くの学校等への普及に努めることが必要と考えています。

添付ファイル

実践研究事業成果報告書(PDFファイル3.74mbyte)

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