佐賀県消費者被害救済委員会によるあっせんを行いました
「高齢者が結んだ住宅リフォーム契約のクーリング・オフに係る紛争」について、佐賀県消費者被害救済委員会によるあっせんを行いましたので、処理の経過等についてお知らせします。
皆さんの周りでも、同じようなトラブルにご注意ください!
1.トラブルの概要
○平成20年4月、一人暮らしのAさん(80歳代 女性)は、事業者Xより「無料で床下の点検に来る」との電話を受けて訪問を承諾した。
○翌日、訪問してきた事業者Xが、床下に別事業者の工事がたくさんあるのを見て、「それらの契約はキャンセルできますよ。返金してもらうことができますよ。」と告げた。それを聞いたAさんは、返金してもらえるならと思い、事業者Xに「本当は床下工事より、屋根や雨樋などの修理をしたかった。」といった話をした。
○事業者Xは、Aさんにかわって、その場で地元の消費生活相談窓口に電話をかけたが、解約の処理には手間がかかることがわかったため、結局、別事業者の工事の解約はなされなかった。
○しかし、Aさんはそのまま、シャッター取付けや瓦止めなど、総額約150万円の工事契約をしてしまった。翌日、Aさんは工事の着手金として100万円を事業者Xに支払い、その日のうちに工事の一部が施工された。
○その後、Aさんはやはり必要のない契約であったと思いなおし、近くに住んでいる家族といっしょに、居住地の消費生活相談窓口に相談し、クーリング・オフで解約することにした。
2.佐賀県消費者被害救済委員会の処理
【委員会の意見】
Aさんは、クーリング・オフにより契約を解除し、着手金の100万円を返金してもらうことができる。
【理由】
消費者の方から事業者に、「○○を購入するから来て欲しい」と、自宅での取引を請求して契約した場合には、通常の訪問販売のような不意打ち性がないので、クーリング・オフは適用できないとされている(特定商取引に関する法律第26条第2項第1号)。
しかし、本件の場合、Aさんは事業者Xからの「床下無料点検」の電話をきっかけに訪問を受けており、Aさんの方から「シャッター取り付け等の工事契約」のために、事業者の訪問を請求したわけではない。
したがって、「無料点検します」などと言って消費者宅を訪問し、実際には別の高額な商品や工事の契約をさせる、いわゆる「点検商法」の場合と同様に、Aさんの場合もクーリング・オフの対象となる。
3.結果
紛争処理部会が検討したあっせん案を当事者双方に提示したが、事業者側の納得が得られず、あっせん不調により終了となった。
※救済委員会によるあっせん終了後は、当事者の自主的な解決に委ねられます。今回の場合は、事業者側から新たな和解案が示され、消費者側がこれに応じて和解が成立しました。
4.トラブルを防止するには
訪問販売により契約した場合には、契約書面を受け取った日から8日間以内であれば、クーリング・オフにより無条件で解約することができます。
しかし、本件のように、クーリング・オフに関してトラブルになるケースもありますので、契約をする際は、複数の事業者から見積書をとって判断するなど、必要な契約かどうかを十分に考える時間を持つよう心がけましょう。
また、一人暮らしや判断能力の低下した高齢者の場合は、悪質事業者から狙われやすかったり、自分自身で被害を防ぐことが困難であったりするため、家族や周囲の人たちの日常的な見守りにより、早期のトラブル発見と救済につなげていく必要があります。
