国指定（美術工芸品の部）02

最終更新日：2020年6月23日

佐賀県文化財データベース

国指定重要文化財（美術工芸品）の部　

重要文化財　東妙寺并妙法寺境内絵図・東妙寺文書（とうみょうじならびにみょうほうじけいだいえず・とうみょうじもんじょ）

平成2年6月29日指定
神埼郡吉野ヶ里町田手1728　東妙寺
古文書

　神埼郡吉野ヶ里町にある東妙寺は、中世、鎮西における関東祈祷所となっていた真言律宗寺院である。
　本絵図は、北を上に田手川左岸に東妙寺を、右岸に妙法寺の伽藍を描く。鎌倉末期における尼寺を含めた律宗寺院の規模・姿を具体的に伝える他に類例のない絵図である。また、文書は同寺の草創変遷を伝えている。
絵図　楯89.2cm、横139.2cm、九紙を貼り継ぐ。

重要文化財　武雄神社文書（たけおじんじゃもんじょ）

昭和54年6月6日指定
佐賀市城内2-1-41　　県立図書館
古文書

　武雄市に所在する武雄神社に伝来した平安中期から室町末期に至る古文書で、中でも天暦5年（951）2月の武雄社四至実検状は県内に残っている古文書でも最古のものである。

重要文化財　河上神社文書（かわかみじんじゃもんじょ）

昭和55年6月6日指定
佐賀市城内2-1-41　　県立図書館
古文書

　佐賀市大和町に所在する河上神社に伝わる古文書で、平安期10通、鎌倉期92通、南北朝期85通、室町期60通の計247通からなる。このうち、院庁・大宰府・国衙等の関係文書は肥前国のおかれた立場を明らかにし、南北朝関係文書は14世紀の九州の動向を示す資料として貴重である。

重要文化財　深堀家文書（ふかぼりけもんじょ）

昭和56年7月2日指定
佐賀市松原2-5-22　　公益財団法人　鍋島報效会
古文書

　深堀家は上総国の御家人であり、建長7年（1255）に一族の能仲が肥前国彼杵郡戸八浦に地頭職を与えられている。蒙古襲来後、異国警固番役に備えるためこの地に土着、以来一族はこの地に繁栄して近世初期に至る。豊臣秀吉が九州入りすると、一時これに従ったが、のち鍋島氏に属してその宿老となった。
文書は大部分が鎌倉・南北朝期のもので、東国御家人の西国下向の実態、定住後の軍事行動、恩賞配分等を詳細に知ることができる。

重要文化財　松浦山代家文書（まつうらやましろけもんじょ）

国指定重要文化財／昭和56年7月2日指定
佐賀市松原2-5-22　　公益財団法人　鍋島報效会
古文書

　山代家は、西松浦郡山代（伊万里市北西部）を根拠とした松浦党の一族であって、松浦山代氏系図によれば、松浦党の祖、源久の孫囲に始まる家である。文書は鎌倉初期から南北朝末期に至るもので、山代氏が松浦地方における有力な御家人であったことを裏付ける史料である。総数66通が2巻の巻子本に仕立てられている。

重要文化財　紙本墨書東遊歌神楽歌（しほんぼくしょあずまあそびうたかぐらうた）

昭和9年1月30日指定
佐賀市松原2-5-22　　公益財団法人　鍋島報效会
書跡・典籍

　東遊歌とは関東から東海道の一部を含めた地方の風俗歌で、「三代実録」の貞観3年（861）3月14日条に倭舞と東舞の記述がある。この鍋島家本は東遊歌と後に神楽歌を採録してあり、ともに平安時代後期の写本であるが、歌詞の数が多いことや奉納の順序をきちんと記してあることから資料的価値を有する。

重要文化財　紙本墨書梵網経（懐良親王御筆）（しほんぼくしょぼんもうきょう（かねながしんのうぎょひつ））

昭和25年8月29日指定
神埼郡吉野ヶ里町田手　　東妙寺
書跡・典籍

　懐良親王（1329～1383）は後醍醐天皇の皇子で、九州南北朝期の南朝の中心的人物である。天皇が親王を九州に派遣してから肥後の菊池氏に守られて所々に転戦、一時全盛を築いたが、天授3年（1377）佐賀北部の千布・蜷打付近で武家方と合戦して敗れた。この梵網経は、その翌年親王が母霊照院禅尼の菩提をとむらうために納められたものである。梵網経は仏となるための戒律について書かれた経文で、この中には孝行心についても書かれている。本経は親王自身の写経で一字一字しっかりと書かれている。120cm×1077cm。