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ナスの栽培マニュアル |Top|

U  作型別栽培方法

促成栽培


1.作型 

作型は、栽培時期に分類され、大別すると、@促成(9〜6月)、A半促成(2〜6月)、B早熟(5〜10月)、C抑制(7〜11月)の4作型となる。

2.主要品種 

県内で用いられている品種は、促成栽培では「筑陽」、「千両」、早熟栽培は「黒錦2号」である。
台木は、青枯病・半身萎ちょう病対策、草勢の維持、多収を目的として「赤ナス」、「トルバム・ビガー」、「トレロ」、「トナシム」、「台太郎」等が用いられている。

筑陽(タキイ種苗)

草姿は中開性、草姿は「黒陽」より幾分強く、首細果・尻太果・ツヤナシ果の発生が少なく、果肉は緻密で、煮炊きの他漬物用に適する。

千両(タキイ種苗)

へたかぶりが深く、首の太い長卵形早生種で、果色と光沢に優れた高品質な品種である。草勢は極めて強く、高温乾燥期にも良品生産の原動力となっている。また、低温期栽培での生理障害も少ない。
本種の着果相は初期多収型であり、盛夏期には小刻みではあるが生り休みの現象がある。

黒錦2号(八江農芸)

耐暑、耐湿性が有り、強勢で、草姿は立性、早熟。露地栽培に適する。

台木の特性
品種名 低温伸長性 草 勢 耐 病 性
赤ナス

トルバム・ビガ− 極 強
トレロ
トナシム
台太郎

3.栽培法

1)促成栽培「筑陽」

栽培法「筑陽」

1)促成栽培「千両」

栽培法「千両」

(1)育 苗 
床土作成方法と注意点

前年の11月に10a当たり3u(田土6:稲ワラ又は堆肥4)に有機質肥料20sと過石10s程度施用し、切り返しを3回程度行う。pH6.0〜6.5、EC0.2〜0.6ms程度に矯正する。

播種床、育苗床の準備
種子準備
播種

条間6cm、粒間1cmに穂木・台木とも同時蒔きし、薄く覆土をする。但し、トルバム台木については、穂木より2週間程度早く蒔いておく。苗立枯病防除としてオーソサンド1,000倍を潅注し、コモで覆う。

温度管理

発芽までは日中30℃、夜間が20℃の変温管理、発芽後はやや低めの管理とし、特に夜間の高温に注意する。


播種〜発芽 発芽〜接木 接木〜活着 活着〜定植
気温 最高 30℃ 28℃ 30℃ 28℃
最低 20℃ 20℃ 20℃ 20℃
間引・移植

間引

接木

鉢上げ・苗仕上げ
   

鉢上げ、苗仕上げ

育苗日数は65〜70日とし、極端な若苗や老齢苗は避ける。
高温時期であるので軟弱徒長にならないようにガッチリとした苗に仕上げることが大切である。
1番花が30%前後開花時が定植の適期である。


(2)本圃準備及び土作り 

前年の収穫終了後、直ちに稲・麦ワラ完熟堆肥等の有機物を投入し、深耕し、湛水除塩を行い、バスアミド微粒剤等による土壌消毒又は元肥投入、畦立て後の新陽熱土壌処理を実施する。

(3)施 肥 
肥料の種類と施肥量「筑陽」
 (施肥例)                             s/10a

肥 料 名 元肥 追肥 成分量
8月下旬 11月上旬 12月上旬
園芸特5号

みねふみん
400

100



元肥N  24
  P  32
  K  16
追肥
収量に応じて調整する
ロング424(70日)
園芸特1号
有機液肥

40


60


随時
                           (資料、小城郡農協)

肥料の種類と施肥量「千両」

(施肥例) s/10a

肥 料 名 土壌改良剤 元肥 追     肥 成分量
8月中旬 8月下旬 10月下旬 12月上旬
ベースワン
(2.5-5-5)
みねふみん
F T E
320

100
4




土改剤
N8.0s
P16.0s
K3.2s
元肥
N26.0s
P24.0s
K24.0s
追肥収量に応じて調整する
アニマル有機
(6-6-5)
ロング180日タイプ
(14-12-14)

200

100



園芸特2号
(6-8-4)
S646
有機液肥


80



40


随時

                (資料、多久市農協)

施肥の方法

土壌診断結果に基づいて、定植1ヶ月前に完熟堆肥、石灰を施用し、定植の半月前までに元肥を施用しておく。但し、トルバーム・ビガー台木の圃場は、30%減肥して施用する。追肥は収穫量800s〜1,000s毎にN成分で2〜3s施用を基準とする。

(4)畦作り 

土壌水分が60%(土の一握りをしっかり握った時、形ができ、それに力を加えるとバラバラに砕ける)程度の時に行う。乾燥している場合は畦立て前に散水し、水分調整を行った上で行い土塊の細粒化を防止する。畦幅は2mとし、下層部の土粒は大きく、上部は細粒とする。青枯れ病対策として、エコガード粒剤を育苗期に10g/鉢、植穴に20g/穴を施用する。

畦作りの方法

(5)定 植 

1番花が10〜30%開花した頃、充実の良い苗を選び、ハウス毎に苗の大きさを揃え株間65〜70cm(坪当たり2.5本)に植えつける。植え穴に十分水をやり、鉢を薄い液肥に浸漬して誘引しやすいように花を一定方向に揃えて植え付ける。仮支柱を立てて苗を固定し、株に直接風を当てないように換気しながら高温にならないよう注意し、活着までは根鉢が乾かぬよう少量ずつ回数多く潅水する。

(6)一般管理 
水管理
マルチング

土壌の保温、乾燥防止、病害対策や雑草発生防止等のため、マルチを11月上旬頃行う。秋、春期の地温上昇抑制のための白黒Wマルチも有効である。

主枝づくり
ホルモン処理
温度管理

樹勢に伴う温度管理の目安

日昼温度の急変を避けるため、外気が直接入らない様二重カーテンの開閉に留意する。
整枝・摘芯・摘葉

整枝・摘芯・摘葉

樹勢調整
(7)病害虫防除 
(8)生理障害 
障 害 名 発 生 要 因
石  ナ  ス 栄養過多による生育旺盛。高温低温による受精障害。ホルモン濃度が薄い。
双 子 ナ ス
鶏冠果・舌出果
花芽分化時、発育初期の低温や栄養過多により樹勢が旺盛なとき。
裂果(窓あき果 ホルモンの過剰。低温等により樹勢が旺盛なとき。直接の低温害。
つ や な し 果
(ボケナス)
果実肥大中期〜後期の土壌水分不足。果実発育不良や低温により肥大日数が長いとき。
着 色 不 良 果実への光線不足や日照不足の時。高温多湿により収穫までの日数が短い場合。
青  ガ  ク 日照不足。収穫までの日数が短い場合。
落 蕾(花とび) 日照不足。30℃以上の高温。樹勢が弱ったとき。
ブ ク ナ ス 冬期の天候不順。日照不足時に発生多。光線不足による同化養分不足。
首 細 り 果 日照不足による同化養分の不足。樹勢の低下。
(9)収穫・出荷調整 
ア.「筑陽」
規  格 本 数
2L


30本
33本
36本
39本

品位
 秀  形状が優れているもの
 優  秀に次ぐもの
 良  (袋)−−500g
参考文献   農業技術体系野菜編5ナス

イ.「千両」
収  穫
調  整
ウ.出荷規格(千両の場合)
量 目

2.5s(ダンボールを含む)

階 級

3L 16個 180〜140g 縦4列×横4列
2L 20個 140〜110g  4 × 5
L  25個 110〜 90g  5 × 5
M  30個  90〜 80g  5 × 6
S  36個  80〜 70g  6 × 6

等 級

秀(A)無傷、生理障害のないもの
優(B)やや傷、生理障害のあるもの
良(C)傷、生理障害のあるもの

※生理障害果について
 つやなし果  C品     日焼け果   B〜C品
 着色不良果  B品     長なす果   B品
 ガク変色果  B品     ガク割れ果  B〜C品
 曲がり果   B〜C品   キズ果    B〜C品
 石なす果   C品     ブクなす果  C品

(筑陽 JA小城郡 小森 健亮・千両 JA多久市 田中 祐次)


VEGETABLE2(野菜栽培マニュアル)より
佐賀県農業試験研究センター