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2005年夏号 Vol.41「噂の麺王国」 特集:噂の麺王国
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神埼素麺シャキ シャキ シャキ
まずは、神埼そうめんの事始めから。約370年前、小豆島(しょうどしま)より諸国行脚の旅を続けていた一人の雲水が神埼で病に倒れ、助けてもらったお礼にと、手延べそうめんの製法を伝授したのが始まりだと言われている。城原川の清流や山麓でとれる良質の小麦、北風をさえぎる脊振山系など、神埼はそうめん作りに適した場所。農閑期の副業として広まり、全盛期には300軒を超える製麺所があった。
高級な食べ物だったそうめんが、庶民に広まったのは江戸時代。幕末から明治維新にかけては、「仁比山(にいやま)うどんに佐賀下地(さがしたじ)(煮出汁)、神埼素麺シャキ シャキ シャキ」という、はやし歌が広まった。山麓のおいしい水と水車製粉で作られたうどん、城下町佐賀のダシの味、伝統をもつ神埼そうめんの舌ざわりの良さを讃えたものらしい。佐賀藩への献上品にもなっていた神埼そうめんは、まさにお殿様の御墨付き。庶民にまで広まった新しい食文化は郷土の味と深く結びつき、はやし歌になるほど人々の舌を楽しませた。 今も変わらぬ職人の技と勘
そうめんの原料は小麦、水、塩。このシンプルな素材から生まれる独特の食感と喉越しは、伝統に培われた技術を守り継ぐ職人さんの妙技があってこそ。神埼そうめんも然り。 古来の手延べ法で継承されてきたそうめんづくりが、大きく変わったのは明治21年。製麺機を発明した佐賀市の真崎照郷氏が特許を得たことで、大量生産の道が開けるようになった。神埼そうめんは、いちはやく機械を取り入れ飛躍的に発展していった。 「機械製麺だからといって、どこで作っても同じ味になるわけではありません。生地の捏(こ)ね具合や伸ばす厚さ、製造工程のスピードなど、あらゆる面で職人さんの技や勘が生かされているんです」と語ってくれたのは、神埼そうめん協同組合理事の井上義博さん。 機械だからできる細麺の仕上がりの良さ。これに、微妙な水加減や塩加減、捏ねた生地の粘りや弾力は手で確かめるなど、人の手と長年培われた職人の技術が相まって、神埼そうめんは生命を吹き込まれ、どこにも負けないコシの強さと喉越しの良さが自慢の一品となるのだ。 神埼から新しい麺文化を発信したい
そうめんのイメージが強い神埼だが、昔からうどんやそば、冷や麦、中華麺など、あらゆる麺を作ってきた。歴史ある麺づくりの里だからこそ、変わり麺の開発や新しい食べ方の提案にも積極的だ。たとえば、こだわりの佐賀県産小麦に色とりどりの野菜を練り込み、一つひとつ手間ひまかけて作った平麺「四季彩」。その昔、地元の人たちがおやつ代わりに食べていた「やなぎ葉」と呼ばれるパスタに似た麺をアレンジしたもので、油で揚げてあんかけ風、ドレッシングをかけてサラダ風、きなこや黒みつをかけるなど、いろんな食べ方が楽しめる。
その他にも、吉野ヶ里遺跡を抱く神埼にふさわしい古代米(赤米、紫米)や、佐賀海苔など佐賀県の特産品を練り込んだ変わり麺も人気を呼んでいる。 「佐賀には米、麦、いちご、みかん、れんこん、たまねぎ、お茶など全国に誇れるものがたくさんあります。そんな佐賀ならではの農水産物を使用した麺の開発に今後も力を入れて、神埼から新しい麺文化を発信できればと思っています」と井上さんは力強く語ってくれた。 【問い合わせ/(有)井上製麺 電話0952-52-2625 】 城原川のせせらぎもおいしい御馳走
神埼町は、「水の郷百選」の一つ。昔ながらの水文化を守り育て、水と人とのつながりを大切にしたまちづくりを行なっている。さらさらと水が流れる城原川を利用して、かつては60基もの大水車群があり、製粉・精米業が盛んだったという仁比山地区。新しいエネルギーの導入とともに、一度はその姿が消えたものの、今また水車8基と水車小屋2棟が復元され、訪れた人々の郷愁を誘う憩いの場となっている。
仁比山を散策していると、清らかな水に恵まれた里ならではの湧き水を見つけた。仁比山神社の裏山から、守り神である猿の石像に見守られながら湧き出る「金剛水」だ。飲めば胃腸に良いと伝えられ、週末ともなれば水を求め県内外からたくさんの参拝客が訪れるという。 艶やかな麺と水車の音。そして川のせせらぎ。麺づくりの里で出合ったものすべてが、おいしい夏の涼味なり。 |
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発行/佐賀県危機管理・広報課 |
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